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前言をひっくり返す人 情緒が安定せず気持ち満たされぬ傾向

 身の回りにいる「困ったちゃん」に関する相談に、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)などのテレビ番組でお馴染みの東京未来大学・こども心理学部長である出口保行さんが、ずばり回答します。今回は突然前言ひっくり返す困ったちゃんについてのお悩みです。

【悩み】
 義姉はどちらかというと気さくな質で、なにかと両親の世話も焼いてくれます。ただ、ときどき前言をひっくり返すことがあり、義姉の気まぐれに困惑することが。先日も、もうお金を払うだけという段階で、あっけらかんと家族旅行を「やめる」と言い出し…。振り回された方はたまりません。(熊本・留美・42才)

【回答】
 一度決めたことを平気でくつがえしてしまうお義姉さん。そこに意図などなく、本人に悪気はなさそうだから、指摘するのも難しい…。普段はいい人なだけに、どのようなつきあい方をしたらいいのか、模索している留美さん。お義姉さんは、長くつきあっていく相手。こじれると大変ですよね。

 お義姉さんのような性格を心理学的には、“気分変動性が高い人”といいます。このタイプには、情緒が安定していない人が多くみられます。“家庭や地域とのつながりが希薄だ”“会社から受け入れられていない”など、何か落ち着かないものを持っていることから、気持ちが満たされていない。それが不安定になる要因です。

 普通の人は目の前に課題があると、“楽しいか楽しくないか”“やってみたいかみたくないか”、さらには自分の置かれている立場などで判断して行動に移し、途中で変更することは、よほどの理由がないかぎりないはずです。

 しかし、このタイプは普通の人のような行動の基軸はなく、基底気分(心理学用語で情緒のこと)の上下によって、目の前の取り組みが変わってしまいます。「昨日はものすごく食いついてきたのに、今日は見向きもしない。どうして!?」といったことが、このタイプにはよくあります。

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