東芝、三井不動産、旭化成、フォルクスワーゲン……最近、不祥事で名前が挙がるのは、どれも一流企業ばかりだ。そこで働く社員たちは当然、「一流企業に勤めるサラリーマン」であることに誇りを持っていたはず。それまでは名刺交換の際にも誇らしげに社名を名乗っていたのに、不祥事一発で立場が逆転する。“傾いたマンション”を販売した三井不動産レジデンシャルの親会社、三井不動産の社員(28歳)の証言。
「今は『お騒がせしてすみません』と申し訳ない感じで名刺をそっと出す。それまで下手に出ていた相手に『大変ですね』と皮肉まじりにいわれるのが辛いです」
粉飾決算が発覚した東芝の社員(30歳)からはこんなボヤきの声が。
「これまでは婚活パーティで社名を出すともてはやされていた。今は女性の前で会社名が言えなくなった」
貸し会議室を借りる時に社名を出さないよう頼んだり、ホテルでの研修会でも看板を出さないようにしたりと、何かと世間の風当たりを気にしなければならないから大変だ。
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号