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箱根駅伝 沿道からファンの姿がほぼ消える瞬間が5区にある

 お正月の国民的行事・箱根駅伝において、優勝を大きく左右するのが“箱根の山登り”の5区。驚異的なごぼう抜きから無念のリタイヤまで、とにかくドラマの多い5区だが、マニアはどこに注目するのか? 日本で最もマニアックな陸上長距離専門ウェブメディア「駅伝ニュース」の主宰者・公園橋博士が、日本テレビ系列での放送予想時刻とともに5区の見どころを紹介する。(放送予想時刻はあくまで目安であり、前後する場合がある)

 * * *
【1月2日 12:12】「小田原中継所」

◆5区(23.2km)
・コースDATA/全区間最長距離で高低差は860m。5km過ぎから本格的な山に入り、曲がりくねった急勾配が連続する。
・区間記録/神野大地 1時間16分15秒(青学大・2015年)

【1月2日 12:30】「クレーンカメラで魅せる『完璧な早川』」

 箱根湯本駅を過ぎ、相模湾に注ぐ早川を渡るところから本格的な登りが始まる。その緊張感を演出するため、中継陣は橋のたもとにクレーンカメラを配置。選手が山に入るその瞬間の景色を、完璧な構図で映し出す。確立されたカメラワークを私は「完璧な早川」と呼んでいるが、この場面を見たらそれは“山の5区”の始まりの合図だ。

【1月2日 12:40】「大平台までの『孤独すぎる道』」

 塔ノ沢を過ぎてから10km地点の大平台の温泉街あたりまでは、車以外の交通手段がほぼないので、沿道からファンの姿が消える。以前、箱根湯本から根性で走って、このあたりに行って観戦したことがあるが、「選手と2人きり」の気分を味わった。山を登っていると、なぜか沿道から私への声援も飛ぶ(笑い)。

 日差しも届かず、気温もぐんと下がる。中継では変わらない道のりに見えるかもしれないが、心細さと闘う選手たちのメンタルに思いを馳せてもらいたい。

【1月2日 13:15】「『最高点』にいるのはだいたい関係者」

 18km地点が標高874mの国道1号線最高点だ。定点カメラには沿道から歓声を送る人の姿も映る。しかし、この場所は登山鉄道の駅からも遠く、当日はバスもない非常に不便な場所。そんなところで応援しているのは、だいたい関係者だ。

 前回5区で驚異的な走りを見せた青学大・神野大地(4年)の母親もこのスポットで声援を送ったと聞く。2009年には、東洋大の次期監督に就任が決まっていた酒井俊幸氏がこの場所で当時1年生の柏原竜二(現富士通)の区間新の快走を見届けた。

 この最高点を過ぎれば、すぐに往路ゴールの芦ノ湖が見えてくる。

※週刊ポスト2016年1月1・8日号

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