『ひるおび!』は、ニュースや話題に合わせて各分野の専門家を招き、徹底的にひとつのテーマを掘り下げるスタイルで進行していく。恵の司会の妙は、自身もいうとおり、ゲストたちの回しっぷりにある。芸人ならではの間のとり方と笑いのはさみ方が絶妙で、視聴者はそこに安心感を覚えるのだ。難解なテーマであっても視聴者の目線の高さに持ってくる力、それが恵の芸だ。
生番組の前後には「前説、後説」と称される、スタジオ観覧者を和ませる時間帯がある。恵はここでもレギュラー出演者の八代英輝弁護士らと丁々発止やり合い、観覧者の心を掴み離さない。オンエアこそされないが、こうした場面でも決して手を抜かない。
「ありきたりですけど、汗をかくとか、手を抜かないとか、そういうことがきちんとやれているかどうかが気になるんです。父から『謙虚であれ。勢いだけでやっていると大怪我するぞ』といわれたことが身体のどこかに染みついているんですね」
◆めぐみ・としあき/1964年、鹿児島県生まれ。1988年に11人で「ホンジャマカ」を結成し、その後、石塚英彦とお笑いコンビに。昼の情報番組『ひるおび!』(TBS系)や『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)にレギュラー出演し、タレント、司会、俳優と幅広く活動中。
■取材・文/一志治夫 撮影/中庭愉生