タレントで産婦人科医の丸田佳奈さんが女性ホルモンを解説
女性の体調を大きく左右するのが「女性ホルモン」だ。そして、健康的で美しい肉体と精神を保つには、ホルモンバランスを整えることが重要だが、そのためにはホルモンの状態をしっかり把握しておく必要がある。そこで、週2回36時間の当直を含む病院勤務をしながら、タレントとしても精力的に活動する産婦人科医で『キレイの秘訣は女性ホルモン』(小学館)を上梓した丸田佳奈さんに、ホルモン状態を知るための方法を聞いた。
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ホルモンバランスを整えるには、今の自分のホルモンの分泌状態を知ることが肝心となります。そのために推奨しているのが基礎体温。なぜなら、2つの女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が規則正しく分泌され排卵が起こっていれば、低温期と高温期が一定期間、交互に繰り返されているからです。
よく「基礎体温をつけるのは面倒だし大変で続かない」という声を聞きますが、基礎体温表からわかる情報量はとても多く、婦人科の医師にとってとても重要な判断材料。女性ホルモンのバランス、排卵の有無やその時期など、体に関するさまざまなデータを読み取ることができるのです。
ではさっそく、基礎体温を測ってみましょう。まず婦人体温計(基礎体温計)を用意してください。婦人体温計では小数点以下2位まで測れるため、正確な数値が残せるのです(通常の体温計では小数点以下1位までしか測れないので、産婦人科ではNGとしています)。
測り方はいたってシンプル。朝、目を覚ましたらすぐに舌の下に婦人体温計を入れるだけ。測り終わるまでは、なるべく動かないようにしてください。
毎日、同じ時間帯に測ることが理想ですが、寝る時間が不規則で、起きる時間もバラバラという人は、5時間以上の睡眠をとってから体温を測ればOK。測定した体温は専用の基礎体温表に記載して、グラフにすれば完成です。
グラフの見方は36.7℃以下が低温期、36.7℃以上が高温期とされています。いずれも14日間前後続くことを良好とします。体温のバラつきが多く低温期と高温期がはっきりしなかったり、高温期が短い、高温にはなるものの一時的に低下してしまったりという場合は、ホルモンバランスが崩れている可能性があります。
平均的な生理周期は28日といわれますが、個人差があり、25~38日以内であれば正常です。また生理の期間は3~7日間とされています。この期間よりも短かったり、長くなったりしたときは要注意。ホルモンバランスが崩れているほか、妊娠や病気の可能性があります。
できれば生理の日、薬を服用した日、おりものに変化があった日(中間期帯下感)、SEXをした日、風邪をひいていた期間といった情報も書き込んでおきましょう。普段の生活での体調管理や、何か不調があったときの診断に役に立ちます。
撮影■アンディ・チャオ
※女性セブン2016年3月10日号