「確かに私の予測法は、地震の場所や日時を正確に特定できるほど完全ではない。より精度を高めようとしている段階です。地震学的なアプローチでは“完全に誤差を排除できないなら認めない”という発想になりますが、エンジニアである私の使命は現在得られる最良のデータと予測法で地震予測を行なうことです。
東日本大震災の時は、3・11の半年前から太平洋側の電子基準点が次々と沈降する現象が確認されていたが、注意喚起できなかった。二度と同じ後悔はしたくない。恥をかいても、批判されようとも、自分の理論において異常なら警戒を呼びかけていきます」
村井氏の予測は全国に1300ある国土地理院の電子基準点のGPSデータに基づいている。今後はさらに精度と速報性を高めるため、NTTドコモが全国16か所に設ける電子基準点のリアルタイムデータを使用し、研究を深めていくという(今年度中にスタートの見込み)。
村井氏が予測を続ける最大の理由は、国民に常に注意喚起を促すことにある。熊本の大地震後、気象庁は「今後の展開は予測できない」と匙を投げた。地震の恐怖と隣り合わせに生きる日本人にとって、完璧でないことを率直に認めつつも、確度の高い実績を示してきた「MEGA地震予測」は貴重な情報といえるだろう。
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※週刊ポスト2016年5月6・13日号