◆もう一人の死者
床山・Kの死が角界で衝撃をもって受け止められたのは、協会内で新旧勢力が対立する中での「2人目の死者」だったからだ。
床山・Kの死のわずか1か月半前、今年4月に協会職員がやはり自宅で首を吊って自殺していたのだ。
「元顧問・Kに近いといわれた協会の事務職員が3人いました。八角理事長はそうした職員らに、元顧問・Kのやってきたことを明らかにするために協力を求めたものの、成果は上がらなかったと聞いている。そのうち2人は退職し、1人は協会に残った。自ら命を絶ったのは、協会に残った職員です。体調不良だったとも聞いていますが、あまりに不可解なタイミングだった」(別の協会関係者)
キーマンが2人も近い時期に亡くなり、貴重な証言者がいなくなる構図は、たしかに大鳴戸事件を思わせる。
「理事長の特命を受けた会計士の調べでは、国技館の改修工事の業者選定など、元顧問・K氏のかかわった協会経費の使い方に問題がありそうだが、やはり資金の流れは複雑で、証言者となりうる存在がいなくなってしまえば詰め切れるかどうかはわからない」(前出の協会関係者)
※週刊ポスト2016年8月5日号