国際情報

常に「生贄」求める韓国社会 大統領は最高のターゲット

任期途中での退任もあるか(青瓦台HPより)

 韓国の朴槿恵大統領を最大のピンチに追い込んだ知人女性・崔順実(チェスンシル)氏への機密情報漏洩スキャンダル。退陣要求デモが荒れ狂い、支持率が急降下するなか、追い詰められた朴氏の今後はどうなるのか。産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が語る。

「すでに朴氏は統治能力を失っています。現在、協議されている『挙国中立内閣』とは、与野党の合議で決めた首相に実権を集中させ、朴氏を“お飾り”の存在にする案です。実現すれば来年12月の大統領選挙まで朴氏は現職に留まれますが、世論の退陣要求の声がさらに高まれば、辞任表明する事態に追い込まれる可能性もある。5年の任期途中での辞任は、初代大統領の李承晩以来となります」

 1960年の李承晩(イスンマン)の亡命を皮切りに、韓国の歴代政権大統領のほとんどが退任後に悲惨な末路を辿っている。

 朴氏の父である朴正熙はクーデターにより軍事政権を樹立し大統領となったが、1979年、側近だったKCIA(大韓民国中央情報部)部長の金載圭(キムジェギュ)によって暗殺されている。

 その混乱に乗じて軍の実権を掌握し、11代大統領に就任したのが全斗煥(チョンドファン)だった。全は民主化を求める学生らを武力で鎮圧し、市民への発砲などで多くの死者・行方不明者を出した。

 退任後の1996年、民主化運動の武力弾圧などが「内乱罪」に問われ、死刑判決を受けた(減刑後、1997年に特赦)。

 記憶に新しいのが2代前の大統領・盧武鉉(ノムヒョン)である。任期満了を控えた2007年10月、大統領退任後に住むために建設予定の私邸に国庫補助金で冷暖房設備を設置していたことが報道された。

 補助金の私的利用に非難の声が上がったが、それだけでは済まなかった。退任後の2008年、妻や実兄など親族の汚職が次々と発覚。盧は「反汚職」を掲げて大統領に当選した経緯もあり、国民の怒りはヒートアップ。マスコミ、捜査当局も追及姿勢を強め、ついに自身にも当局の手が迫る中、自宅裏の崖から飛び降り自殺した。なぜ、韓国の大統領はこうも悲しい末路を辿るのか。

トピックス

勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン