ライフ

【泣ける怪談】愛犬の死に生きる気力なくした女性の足元に…

愛犬を亡くして生きる気力をなくした女性に…(イラスト/上村恭子)

「すべての霊が人を恨み、災いをもたらせようとするわけではありません。無垢な魂は時として、私たちの悲しみを癒してくれるのです」とは、女性セブン『あなたの運勢WEEKLY』を担当する流光七奈さん。たとえば、愛されたペットは死後も飼い主を心配しているという。流光さんが体験談を明かす。

 * * *
 私が“彼”に出会ったのは、あるパーティーでした。彼は、出席者の足元を回っては、キュンキュンと何かを訴えかけていました。“彼”とは、ミニチュアダックスフント。しかし、彼の声が聞こえる人や、その姿が見える人はいません。彼は霊体だったのです。

 彼は出席者全員に「お母さんとおしゃべりして」「元気にして」と訴えかけ、最後にある女性の足元で伏せてしまいました。その女性は体が悪いようで、椅子に座ったまま喧噪の外に1人でいました。

 私はその女性に話しかけました。彼女は、唯一の家族だった愛犬を亡くし、生きる気力をなくしたといいます。

「あの子とは17年も暮らしてきたから、いないことが信じられないの。華やかな場所に来れば気分も晴れるかと思ったけれど、余計に自分は1人だと実感させられて…」

 私は意を決して、彼女にこう伝えました。

「実は今、あなたの足元に、そのワンちゃんがいるんです。“ぼくの代わりにお母さんを元気にして”って、私に訴えかけているんですよ」

 私はその女性から笑われたり怒られたりするかもしれないと思いましたが、彼女はハラハラと涙をこぼし、「私に元気がないから心配で成仏できないのね。ごめんね」と私の手を握るのでした。

 彼女とはそれからも連絡を取り、ワンちゃんの思い出を話してもらいました。そうしているうちに元気を取り戻すと、ワンちゃんも姿を現さなくなりました。

※女性セブン2017年9月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

出世街道を突き進む二所ノ関親方
《相撲協会、理事選のゆくえ》大の里の横綱昇進後初Vで注目が集まる二所ノ関親方の出世街道、飛び級で抜擢の可能性も ライバルだった元横綱・白鵬が退職したのも追い風
週刊ポスト
小川晶市長“ホテル通い詰め”騒動はどう決着をつけるのか(左/時事通信フォト)
《前橋・小川市長 は“生粋のお祭り女”》激しい暴れ獅子にアツくなり、だんベぇ踊りで鳴子を打ち…ラブホ通い騒動で市の一大行事「前橋まつり」を無念の欠席か《市民に広がる動揺》
NEWSポストセブン
歴史ある慶應ボート部が無期限で活動休止になったことがわかった(右・Instagramより)
《慶應体育会ボート部が無期限活動休止に》部員に浮上した性行為盗撮疑惑、ヘッドフォン盗難、居酒屋で泥酔大暴れも… ボート部関係者は「風紀は乱れに乱れていた」と証言
NEWSポストセブン
元大関・貴景勝
断髪式で注目の元大関・貴景勝 「湊川部屋」新設に向けて“3つの属性の弟子”が混在する複雑事情 稽古場付きの自宅の隣になぜか伊勢ヶ濱部屋の住居が引っ越してくる奇妙な状況も
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン
本誌直撃に“対立候補レンタル”を否定していた田中甲・市長(左)
《音声入手スクープ》市川市の田中甲・市長、市長選で“ダミー対立候補レンタル”の証拠音声 「もう一人立てましょう」「それ込みで2000万円渡した」
週刊ポスト
セツの母親・フミ役を演じる池脇千鶴(写真/AFLO)
「生活者のリアリティを伝える圧倒的な存在感」池脇千鶴、朝ドラ『ばけばけ』で見せた“厚みのある演技”を支えた“手”
週刊ポスト
香川県を訪問された秋篠宮妃紀子さまと次女・佳子さま(2025年10月3日、撮影/JMPA)
《母娘の秋色コーデ》佳子さまはベージュ、紀子さまはホワイトのセットアップ アクセサリーはパールで共通もデザインで“違い”を見せられた
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
《女優・米倉涼子に異変》体調不良でイベント“ドタキャン”が相次ぎ…8月からインスタの更新はストップ「お答えいたしかねます」回答
NEWSポストセブン
永野芽郁に業界からラブコール
《金髪写真集をフィリピンで撮影済み》永野芽郁、すでに民放キー局から「連ドラ出演打診」も…今も業界から評価される「プロ意識」
NEWSポストセブン
“ラブホテル通い”を認めた小川晶・前橋市長
《前橋市長が利用した露天風呂付きラブホ》ベッド脇にローテーブルとソファ、座ると腰と腰が密着…「どこにどのように着席して相談したのか」疑問視される“部屋の構造”
週刊ポスト
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
「家に帰るのが幸せ」大谷翔平がリフレッシュする真美子さんとの“休日”「スーパーにお買い物に行ったり…」最近は警備強化で変化する「デコピンの散歩事情」
NEWSポストセブン