「まさにネズミ小僧です。詐欺だろうがなんだろうが、親孝行には変わりない」

 被害者不在の全く身勝手な暴論に違いないが、鈴木氏(仮名)は以前、高額な床下換気扇を高齢者に売りつける「リフォーム詐欺」によって数千万円の収入を得たこともある。鈴木氏は、多くの高齢者の貯蓄を掠め取ったにもかかわらず、都合のよい解釈によって、自身の行為を正当化する。

「金持ちで身寄りのない老人の茶飲み相手にもなっていました。一緒に買い物に付き合うこともあれば、土産を持っていくこともあった。老人と俺らには信頼関係がありましたからね。だからリフォーム代金が高くても、老人は金を払ってくれたんです。俺らと老人の問題で、外野からうるさく言われる筋合いはない。老人から頼られ、稼いだ金で家族を養い、両親にもカネを送った。人助けだとも思ってるし、誰も損はしていない」(鈴木氏)

 そんな鈴木氏に、自分の家族が、その老人たちと同じような目にあったらどうか? と問うと、閉口したのちに、苦し紛れの謎理論を展開した。

「俺たちは貧乏人じゃないですか。貧乏人から取るのはワルですよ。俺たちは金持ちしか狙わないし、奴らのケツの穴の毛までむしり取るつもりはない。世の中平等な方がいいじゃないですか、平等が。極悪人みたいに言われたらムカつきますよ……」

 このような認識の人間が存在する以上、オレオレ詐欺が減るどころか、あらゆる手段に形を変えて特殊詐欺事案が増加するのも仕方のないことなのか。親のために役立つなら犯罪も認められる……というヤクザな理論が浸透しつつあるとするならば、結局その先には家族や友人といった守るべきコミュニティが崩壊してしまう殺伐とした未来が存在することを、彼らは理解できないらしい。

関連記事

トピックス

二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子
【デビュー40周年】荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』再ヒットのきっかけ“バブリーダンス”への感謝「幅広い世代の方と繋がることができた」
週刊ポスト
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン