その差は、「割安な選手を発掘できたか」にありそうだ。1アウトあたり、1塁打あたりの年俸が安い“お買い得選手”を見ていくと、それがよくわかるという。広尾氏が説明する。
「“お買い得ランキング”のベスト10には、巨人の選手は一人も入りません。対するソフトバンクは石川柊太(25)が1アウトあたり1万6900円で投手1位。打者でも上林誠知(22)が1塁打あたり4万4000円で2位に入った」
石川は育成選手として入団。4年目の今年は開幕一軍入りして8勝3敗の成績を残した。上林は高卒4年目にして初めて一軍に定着し、打率.260、13本塁打、51打点で日本一に貢献。“カネもかけ、育成にも力を入れるソフトバンク”と“育てられない巨人”の違いが浮き彫りになってくる。
セ・リーグのペナントレースを制した広島も、育成枠出身のバティスタ(25)が1塁打あたり3万4300円で“お買い得打者”のナンバーワン。投手では高卒4年目で一軍に定着(5勝4敗)した中村祐太(22)が1アウトあたり2万100円で2位に入った。
札束の飛び交うストーブリーグが過熱するなか、「カネに飽かせて選手を獲るだけでは勝てない」──そんな真実も見えてきた。
※週刊ポスト2017年11月24日号