櫻井:本当にそう。以降、日本は経済にだけ注力してきましたが、これは国家ではなく商人の集合体です。誰も国を考えない。国際社会で日本の国益を守る先頭に立たなければならない外務省も国益より省益を優先する。事なかれ主義が蔓延して、自分の任期中に問題が起きなければいい、となってしまった。
ケント:そうすれば定年退職して、天下りができる。
櫻井:国益を考えないということは、日本が戦後、まともな国でなかったという証拠なんです。
●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。
●ケント・ギルバート/1952年アイダホ州生まれ。1971年初来日。カリフォルニア州弁護士。1983年にテレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し人気に。近著に『中韓がむさぼり続ける「反日」という名の毒饅頭』、近日刊行予定に『日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人』がある。
※SAPIO2018年1・2月号