◆「この春場所に懸ける」
マイクを握った貴乃花親方は、会の冒頭に壇上で来場者に挨拶した。別の出席者はこう証言する。
「挨拶のなかでは協会について触れることはありませんでした。貴ノ岩の復帰に向けて心を砕いている様子で、『(貴ノ岩の)心の傷をどこまで癒せるかは分からないが、この春場所に復活を懸けます。ご声援ください』と話し、来場者から大きな拍手が送られた。続けて挨拶した貴ノ岩自身も、『恩返しをするために、春場所では精いっぱい頑張るつもりです』と語り、傍らの貴乃花親方は子供を見守る親のような表情だった。
会が進むと貴乃花親方は、ごく親しい人たちと談笑する時に『これからは弟子を育てることに尽力する』と決意を口にしたり、理事から外れたことを前向きにとらえてか、『これから俺は何でもできますよ!』と熱く語る一幕もありました」
この日の会合は、貴乃花親方や貴ノ岩の“再起”に向けた激励会ともいえる。そこで口にした「俺は何でもできる」という言葉は、“これからも協会改革のために戦う”という決意にも聞こえる。
※週刊ポスト2018年3月16日号