だからこその街頭インタビューでの「森友・加計をやり過ぎたということですか。私、かなりやったけどダメですかね」に繋がるのだ。現在の野党で声の大きい議員は、デモが大好きでとにかくアベが嫌いな人々だらけ、といった印象が強い。
玉木氏は、野党がネットではそういった見られ方をされていることに対し「オレは違うからな」という姿勢を今回表明したかったのではなかろうか。かつて玉木氏は「将来の総理候補」にも名前が挙げられたことはある。そういった人物かつリベラル政党の人間が、「何があろうともモリカケ問題を追及!」という姿勢に違和感を覚えたかのような今回の動画は、安倍政権支持派も少しは評価してもいいのでは。
コメント欄にはこんな意見も書かれた。
「モリカケ問題がどんなに国民の意識と乖離しているか、野党のみなさんが目を醒ますきっかけになるだけでもいい番組かと思います。ただ、これでまた国会でモリカケモリカケ言っていたら、さらに厳しいことにはなりますよ。それだけは肝に銘じてください」
逆風の中始まった同氏のYouTubeチャンネルだが、あとはいくら忙しかろうがキチンと更新をし、閑古鳥が鳴かないようにしてほしいものだ。プレスリリースに書かれた「“ユーチューバー”になり切る」は本当に大変なことである。ほとんどはカネも稼げず、自己満足の世界になりがちである。
数年前、「ユーチューバーなめんなよ!」と宅配業者を恫喝したユーチューバーが逮捕されたが、この男ほど過激になれとは言わないが、一旦チャンネルを開設したのであれば、「ユーチューバーなめんなよ!」と言えるぐらいネットユーザーと真摯に向き合ってほしい、と思うのである。それが稀な存在たる“政治家ユーチューバー”の使命だろう。
文/中川淳一郎(ネットニュース編集者)