──連立はどちらから持ちかけたのか。
小沢:最初はナベツネさん(渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長)が僕の知人に言ってきたようだ。それで、僕は「いいよ」と福田さんと会った。そうしたら、福田さんが「あなたのほうから申し込んできたから(会うことにした)」と言う。ナベツネさんが両方に適当なことを言ってたわけです(笑い)。
だから、「いやあ、僕は別に頼んだわけじゃない。あなたのほうから(申し込んできた)と聞いたんだよ」と言って、一回話を蹴飛ばした。そうしたら、福田さんが「すみません、それはないことにして」と(もう一度申し入れてきた)。
──渡辺恒雄が大連立の考案者だった?
小沢:違うでしょう、それは。自民党にすれば(参院の過半数割れで)片肺だから、何とかしなきゃならないと誰もが思っていました。連立しかないというのが普通の帰結です。それで、仲介者を通じて僕に話がきた。
──福田総理はあまり乗り気ではなかった?
小沢:彼は本気だった。福田さんはほんとに真面目な人です。僕は(連立を組むには)政策的な合意がいるよと、それから、ポストも要求するよというような話をした。そうしたら「わかりました、それはもう、政策もポストもできる限り、最大に応じます」と言いましたからね。