昨年9月、両陛下は「全国豊かな海づくり大会」出席のため、秋田県を訪問された。両陛下は訪問中の視察先に、秋田市の「秋田県動物愛護センター」を選ばれた。動物愛護の施設が皇族方の訪問先として選ばれるのは非常に珍しいという。動物がお好きで、保護された動物たちを飼われる両陛下らしいものだろう。
愛護センター所長の金和浩さんは次のように語る。
「雅子さまはお出迎えの秋田犬にとても優しい笑顔を向けられていました。犬と慣れた様子で触れ合うお姿から、動物について普段から勉強され、大切にされているのだと感じました」
雅子さまの優しい視線は、犬だけに向けられたわけではなかったという。
「センター内では、両陛下が座るための2つの長椅子が用意されていました。しかし、そのうちの1つに、その場にいた子供たちが座りました。子供たちに椅子を空けるようにと伝えると、雅子さまがすかさず“いいえ、結構です”とおっしゃり、子供たちに席を譲ったのです。さらに、残った椅子には陛下が座るよう促されました。ご自分より子供を優先され、さらに陛下を立てられる雅子さまのお気遣いを感じました」(金さん)
自分のことよりも、周囲を優先される──そんな雅子さまのお人柄を表すエピソードはほかにもある。
昨年12月、雅子さまの誕生日に伴う祝賀の席でのこと。当時、雅子さまはご感想文書の発表が遅れ、ご体調が心配されていた。
「出席者から祝辞が伝えられ、天皇陛下がお礼の言葉を述べられました。その後、雅子さまが出席者に対し“これから寒くなりますので、みなさんお体に気をつけてください”とおっしゃいました。私たちは雅子さまを心配していたのですが、かえってこちらに気を使ってくださったのです」(別の宮内庁関係者)
多くの即位関連行事のなか、お疲れがないはずがない。そんな中でも周囲への気遣いを忘れない、それが雅子さまなのだ。
※女性セブン2020年5月7・14日号