カレーで町おこしを図ってきた歴史
これらの消費傾向について鳥取県庁の担当者の話を参考にして調べたところ、次のようなことが分かった。
カレーに関しては、こんなエピソードがある。2003年家計調査の結果でカレールウの支出額・購入量が日本一となったことをきっかけに、2005年に市民の有志が「鳥取カレー倶楽部」を設立し、「カレーによる鳥取市のまちづくり」が始まり、「うち家(げ)のカレーコンテスト」を開催。
その後、オリジナルカレーの商品化を目指して「鳥取カレー研究所」という会社が設立され、県特産の二十世紀梨や砂丘らっきょう、砂丘ごぼうを使用したオリジナルカレールウ「鳥取カレーの素」などを開発した。
そもそものカレー好きの要因は定かではないが、近年の鳥取におけるカレー人気の背景には、カレーで町おこしを図ってきた歴史的背景があったのだ。ちなみに県内には江崎グリコの工場があり、カレールウを製造している。これもカレー人気の要因のひとつか。
マヨネーズは、県民の卵好きと関連がありそうだ。実は、鳥取市の卵の支出金額・消費量も例年、全国トップクラスなのだ。鳥取砂丘の砂で蒸し焼きした「砂たまご」という特産品もある。
鳥取では、ブロッコリーの生産や、海の幸(カレイ、エビ、カニ、イカなど)の水揚げが多く、マヨネーズをそうした食材に付けて食べる機会が多いことも人気の背景にあるようだ。ネット上には特産品のらっきょうを使ったタルタルソースや、らっきょうチーズマヨ等のレシピもある。
2020年はカレールウの支出金額こそ前年に比べわずかに減っているが、購入数量は逆に増えている。購入平均価格が20円程度下がっているのだ。コロナ禍の影響で少し安いルウを選んだ家庭が多かったのかもしれない。