日本で使われる原薬の製造方法などを審査しているのが、厚労省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」である。PMDAはホームページ上で「原薬等登録原簿(マスターファイル)」を公示しており、登録の原薬が国内外のどの業者が製造したものかを確認できる。
PMDAの広報課が説明する。
「マスターファイルは医薬品の審査に必要な『原薬の製造方法・管理、品質管理などの情報』について、原薬製造業者のノウハウを保護する目的で作られた制度です。原薬の製造業者はこの制度があることで、日本の製薬会社を通さずにPMDAの審査を受けられます」
公示されているのは登録済みの原薬の一覧だ。日本の製薬メーカーは薬を製造する際にこのリストの原薬を使用、加工して販売する。
同ファイルを見ると、近年の登録は中国の原薬業者が多いことがわかる。本誌・週刊ポストは2020年以降に登録された原薬のうち、中国の業者が登録した薬を抜粋し、別掲の一覧表に示した。この表を見ると、「中国産の薬」が身近な存在であることが窺える。
※週刊ポスト2022年6月10・17日号