歌舞伎町の超有名店『X』の総支配人にまで上り詰めた

歌舞伎町の超有名店『X』の総支配人にまで上り詰めた

女性に2000万円使わせる「男性側」のホンネとは

 タイキ氏が『X』に入店したのは、2019年7月のこと。

「1か月目の売り上げが30万円。初めて指名してくれた女性とは早々に切れてしまったのですが、入店初月の末に指名してくれたかなり年上の女性がいて、その方が2か月目に200万。初回についたときに気に入ってくれて、普通の主婦の方なのですが、僕のためにお金を用意してくれました」

 彼女は他のホストクラブにも通っていたが、初めて大金を使ったのがタイキ氏だったという。他のホストとどう違ったのか。

「何ですかね、僕が無理してないというか、嘘をついていなかったからか…?普通のホストがよくするように『好きだよ』とか言っていないし、甘い言葉もかけていない。むしろ辛口。10歳くらい上の方だったのですが、悩みを相談された時、そこに対して僕はごまかすことなく自分なりに真剣に考えた答えを伝えたんです。そこを尊敬してくれていたというのがあったと思う。男女の垣根を越えて本気で向き合ったからだと思います」

 入店4か月後の10月に出会った別の女性がタイキ氏を数多ある系列グループの全店舗の中でその年に入店したスタッフでもっとも売上げを上げた新人ホストに与えられる称号である「新人王」にまで上り詰めさせてくれたという。

「50才くらいの会社員の女性です。彼女はひと月で1200万円。そこから新人王を獲らせてくれるまでに、3か月で2000万円くらい使ってくれた。なぜ、そこまでしてくれたのか? 理由は、先ほどの方と似ていると思います。やはり、頼ってきてくれるんです。よく『女子は愚痴を言うときはただ聞いてほしいだけ』と言われますし、ホストは基本『ただ聞く』ということがうまい人も多い。僕はそうでなく、愚痴にすべてガチンコで、娯楽の域を超えて向き合って回答してきた。それにより『心の拠り所』として価値を感じてくれているのかな、と思います」

 歌舞伎町は狭いエリアの中で、300軒以上のホストクラブがしのぎを削りあう“日本一のホスト激戦区”でもある。そんな町で私は、愛する「担当」のために身を粉にして働き、愛を課金する、所謂「ホス狂い」の女性たちの姿を見てきた。ひと月に100万円を超えるような高額を使う彼女たちは圧倒的に「夜」の仕事の従事者が多かった。主婦や会社員という「昼職」の女性が用意するには、タイキ氏がさらっと言う「2000万円」はあまりにも大きな金額ではないか。

 またこれだけの大金を使ってもらうのであれば、その先に色恋や結婚などの見返りを期待させるような言動があったのでは、とも思ってしまう。実際筆者は、女性に「結婚しよう」などと囁き、大金を貢がせるホストの話を数多聞いている。しかしタイキ氏は「そんな言葉をかけたことは一切ない」と言い切る。

 見返りなしに彼女たちに「課金」される男性側は一体、どのような思いでその「愛」を受け取るのだろうか。私はずっと、それが疑問でならなかった。タイキ氏に、直球で聞いてみた。「タイキさんは、会社員の50代の女性が、自分に3か月で2000万円払うことに対し、どう思われましたか?」

 すると、タイキ氏は、少し考えて、こう言うのだ。

「僕もやっぱ必死なんで……。グループの『新人王』がかかっていたので。新人王が取れたら死んでも悔い無しというくらいの気持ちになっていて、その女性も同じくらいの気持ちになってくれていたんですよね」

 その結果、タイキ氏は2019年度『新人王』の座に輝く。その時の気持ちを聞くと、一言。

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