局アナ時代を振り返る

局アナ時代を振り返る

亀井:世間で「女子アナ」という言葉が流布しても、会社のなかでは「女子アナ」は禁止で、「女性アナウンサー」と言っていました。

中村:え~っ、そんな決まりがあったんですね。

亀井:私たちが現役の頃って、今以上に「女子アナ特集」とかが組まれる時代だったので、世の中が求めているものと、会社員である自分との違和感がすごくあって。取材にも、会社の看板というか、会社の代表として行く感じでしたから。

中村:確かに地デジ大使をやった時も、個人としてではなく会社の代表として出ていることを意識していました。

亀井:仕事のために休日返上するのは当たり前で、有給休暇を申請したのは自分の結婚式の1回くらいですかね。次の日の朝4時くらいから普通に仕事行きましたけど。

中村:報道でもスポーツでも、やっぱり現場に行って取材して、自分の言葉で喋りたい。それが醍醐味っていうのがあるじゃないですか。でも最近の一部の若手は、その汗はかきたくないみたい。あくまで制作が作ってくれたものを上手に読むというか、与えられた仕事をそつなくこなす能力は長けている気がします。

石井:泥臭いのはダメなんですよね。「ここは取材に行った方がいいよ」とは伝えるんですが、なかなか行かない(苦笑)。残業時間にも制限ができて現場に行く時間がないのかもしれませんが、熱量を感じない。

亀井:現場の臨場感のなかでここぞというネタを掘り起こす。それが私たちの仕事の面白さだと思います。

中村:レポートする時に“至極のひと言”を入れることこそ快感ですよ。若い子たちはアナウンサーとして自分の能力を磨きたいけど、それがすべてじゃないという価値観なんだと思います。今後は女性アナウンサーの仕事とプライベートのすみ分けが一層進んでいくのではないでしょうか。

(了。第1回から読む

【プロフィール】
石井希和(いしい・きわ)/1977年生まれ、東京都出身。2000年にテレビ朝日入局。『ANNニュース』や『やじうまプラス』を担当。2012年に退局後はテレビ出演や司会業を行ないながら、子供や母の支援にも取り組む。

中村仁美(なかむら・ひとみ)/1979年生まれ、大阪府出身。2002年にフジテレビ入局。『クイズ!ヘキサゴンII』などで活躍。2011年にさまぁ~ずの大竹一樹と結婚。現在は3児の母とフリーアナの兼業。

亀井京子(かめい・きょうこ)/1982年生まれ、兵庫県出身。2005年にテレビ東京入局。『スポーツ魂』『ウイニング競馬』などを担当。2008年に当時巨人の林昌範との結婚を機に退社。現在は吉本興業に所属するフリーアナとして活躍。

※週刊ポスト2023年1月13・20日号

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