──明石家さんまさんは?
これはビートたけしさんや谷山浩子さんを担当した森谷和郎さんの仕事ですが、さんまさんは二部で出ていました。今では想像できませんが真面目な青春路線の放送で、人気が炸裂したのは1983年に始まった「ブンブン大放送」ですね。
──1981年からのビートたけしの放送は桁違いの人気だったと聞きます。
とにかくトークの凄さはダントツ。担当ディレクターだった森谷さんは、始まってしばらくは、不穏当な発言があってはいけないと、録音にしていた。番組がスムーズになってから、ナマ放送にして、高田文夫さんの相槌も入れるようにしたんだそうです。こんな森谷さんとたけしさんの工夫は新著に詳しく書いてあります。
フライデーへたけしさんが殴り込んだ時は、担当の鳥谷規さんや高田さんが苦労していました。大竹まことさんも代打で助けてくれた。三木聡さんも放送作家で参加して、リスナーや丹波哲郎さん相手にケンカを仕掛けたり、番組を救ってくれました。感謝です。たけしさんには復帰会見をニッポン放送でやってもらい、大いに番組の宣伝をさせてもらいました。
(第3回に続く)
【プロフィール】
亀渕昭信(かめぶち・あきのぶ)/1942年、北海道生まれ。早大卒。1964年ニッポン放送入社。1年間の米国留学を経て番組制作、パーソナリティ、編成デスクなどを務める。1999年ニッポン放送代表取締役社長。
聞き手/岸川真(作家)
※週刊ポスト2023年4月7・14日号