デッドボールへの対応は?
金田:広報から二刀流の話は言わんでくれと言われているんだが……。
大谷:そうなんですか、アッハハハハ(と笑い飛ばす)。
金田:(自らを指さして)この人はピッチャーとしてのホームラン記録を持っているんだよ。38本も打っているんだ。代打ホームランも2本もある。知らなかっただろう。
大谷:そうなんですか。左打ちですか。
金田:うむ。実はそこに深いわけがある。ワシはもともと左投げ、右打ちだったんだ。それを高校時代の監督に左打ちに変えられたんだ。理由は野球にデッドボールがあるから。右打席だと利き腕(左腕)がピッチャーに向いていて当たってしまうので、変えたほうがいいと言われ左打ちにしたんだ。
大谷:ボクは初めから右投げ、左打ちだったんです。
金田:(死球に対して)何か対応はしているのか。
大谷:一応、捩じったりだとか、打ちにいくと手首のあたりが危ないので、メーカーにお願いしてガードを作ったりしてもらっています。
金田:そこまで危険をはらんでいても打者をやりたいか。
大谷:そうですね。やりたいと思ってプロに入ってきたので。
金田:野球は90%が投手力だよ。こんないい球を持っていて、投手で先人の記録を全部塗り替えてやろうというような気持にならないか。
大谷:もちろんやるからにはトップの方々の記録を塗り替えるぐらいの気持ちでやっています。
金田:二刀流でいい成績を残すことも大事だし、自分がピッチャーの記録を塗り替えると思ったらそっちに重点を置いてもいい。大谷君の人生だ、好きにやればいいと思うが、大谷君が二刀流をやることで職を失う選手が出るということ。それだけは肝に銘じて頑張ることだな。
大谷:ハイ(と厳しい顔に)。