スポーツ

【江夏豊×江川卓対談】“空白の一日”騒動に江夏「プロ入りは歓迎だったが巨人に入ってガッカリ」

掌を重ねると「2人とも同じぐらいだな」と盛り上がった

掌を重ねると「2人とも同じぐらいだな」と盛り上がった

 昭和のプロ野球の顔として活躍した江夏豊(75)と江川卓(68)。ともに奪三振で球場を沸かせる「剛腕」として鳴らしたふたりが、今回、久しぶりに顔を合わせた。共に“グラウンド以外”でも世間を賑わせた2人。やがて話題は、日本中が大騒ぎになった事件に……。【全4回の第4回。第1回から読む

 * * *
──おふたりが最近のプロ野球界で気になっている選手はいますか?

江夏:やっぱりロッテの佐々木(朗希)くんかな。

江川:たしかに彼は凄い。

江夏:素晴らしいストレートを投げるし、そこを伸ばしてほしい。彼の根底には高校最後の夏の地方大会決勝を投げなかったことへの心残り、仲間への申し訳ない気持ちがあるんじゃないかな。俺だったら絶対に投げた。だから、そういう思いを持っている気がするよ。いや、持っていてもらいたいかな。

──高校時代の江川卓を知っていましたか?

江夏:当然名前は知っとったよ。夏の甲子園、最後雨の中を押し出し四球で終わったのを観ていた。

江川:春の選抜は観てないですか? 春のほうが良かったんですけど(笑)。

江夏:俺が覚えているのは夏の雨の甲子園。バネの利いたダイナミックなフォームやったな。

──その後、江川さんは法政大でいくつもの記録を樹立。そして1978年のドラフト前の「空白の一日」は、日本中を賑わせました。現役当時の江夏さんにとってあの騒動をどんな思いで見てましたか?

江川:おぉ、その話題にいきますか……。

江夏:やっぱりプロ野球側の人間としては入団することを大いに歓迎していた。ただ一番寂しかったのは、プロ野球の中心である巨人を倒したいという喜びを自分は持っていたから、巨人に入ったのは内心ガッカリしたよね。阪神に入るとか、他球団に入って巨人を倒してもらいたかった。それくらい巨人は強かった。

──江夏さんは、江川さんのプロ入りに先立って南海、広島に移籍されています。

江夏:俺だって、1975年に阪神から南海に移籍する時、実は巨人に入る予定だったんだから。まあ、所詮はたらればの話よ。でも当時の騒動を思い返すと、マスコミに追っかけられる鬱陶しさ、苦しさ、面倒臭さは大変だなと。ガーッと忘れて、笑顔で野球をしてもらいたいっていうのがやっぱり経験者の願いだった。

江川:そう言ってくださり、ありがとうございます。まあ最初の頃はマスコミを煩わしく感じたりもしましたが、年々気にならなくなってきて、今はまったく平気ですから。

江夏:そりゃそうだよな。俺も現役時代は『週刊ポスト』なんて大っ嫌いだったもん(笑)。

関連記事

トピックス

氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
《大谷は誰が演じる?》水原一平事件ドラマ化構想で注目されるキャスティング「日本人俳優は受けない」事情
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
パリ五輪への出場意思を明言した大坂なおみ(時事通信フォト)
【パリ五輪出場に意欲】産休ブランクから復帰の大坂なおみ、米国での「有給育休制度の導入」を訴える活動で幼子を持つ親の希望に
週刊ポスト