セクハラ調査は行われない
2度の逮捕を経てもなお、猿之助の周囲には疑惑をうやむやなまま乗り切ろうとする動きがある。
「歌舞伎興行を担う松竹は、セクハラ・パワハラの実態調査は行わず、猿之助さんを不問にし、ガイドラインの導入やコンプライアンスの是正といった対応さえ行わない方針だといいます。すべては闇に葬られるのでしょう」(前出・歌舞伎関係者)
背景には、歌舞伎界が抱えるジリ貧の状況がある。現在公演中の「七月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座)の昼の部では、猿之助の代役として市川中車(香川照之、57才)が主演をはっている。
「澤瀉屋のお家芸である『両宙乗り』に初挑戦するなど話題作りに必死ですが、チケットの売れ行きはお世辞にも好調とは言えない。やはり中車では客が呼べないんです。目の肥えたファンの中には“中車が演じる役柄の本来の魅力が伝わってこない”と手厳しい意見もあります。
猿之助のハラスメント問題に手を突っ込まなければ、将来の復帰の可能性を潰さなくて済む。むしろ、“悲劇を乗り越えたヒーロー”として、大々的に復帰興行をやるくらいの算盤を弾くなんてことは、興行主として当たり前に考えますよ」(歌舞伎評論家)
どす黒く渦巻く猿之助の暗闇の中で、思惑通りにことが運びつつあるのか──。
※女性セブン2023年8月3日号