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2010.11.04 10:00  週刊ポスト

米国の「保安官」 最近はDV受けた子供を保護する仕事も

 おぐにあやこ氏は1966年大阪生まれの元毎日新聞記者。夫の転勤を機に退社し、2007年夏より夫、小学生の息子と共にワシントンDC郊外に在住。著書に『ベイビーパッカーでいこう!』『魂の声 リストカットの少女たち』などがある。おぐに氏がアメリカにおける保安官の現在について綴る。

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 アメリカに来るまでは、保安官なんて過去の遺物だと思っていた。街を荒くれ者から守るヒーロー、だなんて、西部劇映画だけの話だと思うじゃない? ところがドッコイ。

 実は、アメリカでは、コネティカット州など一部の州を除くほとんどの州で、保安官は今も「現役」だ。しかも、多くの郡では住民の投票によって選ばれているという。

 保安官の組織や仕事内容は、州や郡によって違うんだけど、我が郡では刑務所に収監された被告の裁判所への移送をもっぱら受け持っている。最近は、DV(家庭内暴力)や親に育児放棄された子供の保護なんかも仕事に加わったんだって。

 現代の保安官(や保安官代理、執行官ら)は、馬の代わりに、「Sheriff」と大きく書かれたパトカーに乗っている。制服も警察のと見分けがつかない。でも、帽子だけは、ちゃーんとカウボーイハットなのが、妙にレトロでうれしい。

 周囲に聞いてみても「今の保安官って誰? 名前すら知らないよ」と関心は高くない。でも、選挙で選ばれる「保安官」、つまり保安官事務所のトップは、郡の法執行官の長に当たる。結構えらいのだ。「有権者の投票で直接選ばれる保安官は、市長に指名される警察署長なんかよりずっと立派だ」なんていう人もいる。

 なにしろ、この国の人は200年も前からずっと、投票で保安官を選んできたんだもんね。腕利きのガンマンを皆で選んで保安官に任命した時代もあったんだろうなあ。
 
※週刊ポスト2010年11月12日号

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