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若者の車離れ 車会社は情報戦で競合他社だけ見ても仕方ない

19時からはJUKEでよるドラ!

今年の夏は節電が求められる夏。街では夜の照明も落とされるなか、セブン-イレブンが夜の集客を図って割引クーポンを発行したり、営業時間を1時間早め、午後4時営業開始の居酒屋も登場したことなどが報じられている。

この動きには自動車業界も呼応し、日産自動車は現在、コンパクトカーJUKEの「よるドラ」というキャンペーンを展開中だ。「よるドラ」とは夜のドライブのこと。“節電サマータイム”導入により、早い時間に会社から追い出されてしまう人を中心に、一杯飲みにいくのもいいけど、夜にドライブをして節電をしよう、というライフスタイルの提案である。

同サイトでは「ヨル・ドラスキー教授がよるドラについて教えてくれる“よるドラ講義”」のほか、All Aboutの恋愛ガイド・島田佳奈氏による「絶対に断られない!? よるドラの誘いの言葉」というソーシャルメディア連動コーナーも掲載し、よるドラで楽しく節電しながら、気になるあの子を誘う方法を伝えている。

なんともファンキーな企画ではあるが、何を意図していたのか。同社マーケティング本部販売促進部主担(インターネット)の柳信秀氏とマーケティング本部マーケティングダイレクターオフィスの谷川進一氏に話を聞いた。

――今回、御社のウェブ企画「よるドラ」が「節電」「モテる」という両方を解決するための「本気感」を私は感じたわけですが、一体この企画、何を意図していたんですか?

谷川:家庭の電気使用のピークタイムである19時から外でドライブすれば節電につながる行動になると思いました。自動車会社として、少しでも節電につながる活動にしたかったんです。そして、ドライブは一人でするより複数でするほうが楽しいので、ついでに気になる異性を誘えるところに企画の広がりをつくりました。しかもJUKEって燃費がいいからドライブするにはピッタリなんですよ。

――なんといいますか、かなりチャレンジングな企画だと思いまして……。

谷川:最初の企画のやりとり段階で、プラニングを担当している代理店には「とにかく面白いものもってきて」というオーダーをしていたんですよ。むしろ、私たちが「ガンガンやろう」という気持ちがありました。何度か議論を繰り返し、最終的にいい企画になったと思っています。

JUKEはデザインがとても個性的なので、これまではこの尖がった車を好きな人に「刺さっている」車だったのですが、発売から約1年、もっと広く色々なお客さんに乗ってほしいと思ったのです。マスメディアを見るようなマジョリティーのお客さんが面白いと思う企画でありながら、JUKEのブランドが持っている「エッジー」な(尖った)要素を両立させることを目指しました。そして、一般的に関心がある節電と言う社会トレンドをとらえつつも、自動車会社ができることとして、いい企画になったのではないでしょうか。

■「車」という存在が目立たなくなっているだけに、“情報”で目立つ必要がある

柳:今年、私の部署(インターネット)で頑張らなければいけない重要車種がこのJUKEという車だったんです。元々、JUKEはネットをご覧になっているお客様との相性がいいということに気付いていました。だからこそ、JUKE発売から2年目の今年の夏が勝負だと思ったのです。

そして、世の中に情報がとても溢れていて、その中で「車」自体も最近「存在感がなくなっている」とか「若者のクルマ離れ」って言われてます。もう車会社だけが相手ではない。TVやインターネット、ソーシャルメディアに溢れている多くの情報を相手に、もうちょっと「車」が目立つようにしていかないといけない。特に、この個性的なデザインのJUKEは目立たなくてはけないという気持ちがあり、他の情報に負けない「エッジさ」を消さないように考えてきた結果がこの「よるドラ」です。

――企画自体にはどう思っていますか?

柳:懐かしい感じです。我々が若い頃は夜のドライブデートなど、あたり前でしたが、最近は特に若い方は、あまりしていない気がします。

谷川:そうですね。そして、私たちは、これまで車自体を魅力的に見せることを中心に考えていたのですが、「車があるライフスタイル」まで考えていなかったかもしれないです。この変化の年のタイミングで、車の楽しみ方を考えてみよう、というのは実は重要なことだったかもしれません。

柳:そうです、今回の「よるドラ」は東日本大震災があったが故に、皆が節電を考え、生まれた企画であることは事実です。そんな中で、皆様に、ちょっとホッとしていただいたり、楽しんでもらうことを目指しました。「よるドラ」を少しでも多くの方が楽しんでいただけていたら、とても嬉しく思います。

■「よるドラ」が気になるあの子を誘う口実になる!?

――夜風は涼しくて節電にもなるし、僕と「よるドラ」しない? って、まぁ、覚えやすいですよね。

谷川:そうですよね。「草食男子」という言葉も流行っていましたから、特に相手を誘う自信のない方に楽しんで使っていただけるといいです。私もただいま絶賛婚活中なので、この誘い文句で試してみたいと思います!

――JUKEに乗っている人はモテるんですか?

谷川:JUKEは、色気のある車だと思っているので、そういう要素はあるかもしれませんね。とある取材記事にも、「肉食系の車」と書かれていました。個性的でかっこいい車なので、よるドラに誘うのにぴったりな車だと思っていますよ。

――逆にウェブサイトに出てくるヨル・ドラスキー教授は別にモテそうには見えないのですが……。

柳:いいんですよ。暑がりの太めの方が「節電しなくちゃ」とか「恋愛講座」をしていることが面白くて、このツッコミどころ満載なところがネットでは拡散のキッカケになると思っています。

谷川:インターネットでの拡散の力はすごいですから、我々も積極的にチャレンジしているところです。

柳:さらに企画も用意しているので、今後の展開にも期待していてください!

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