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放射能が売りのラジウム温泉 線量はどれくらいなのか?

東京都世田谷区の民家で見つかった「放射能ビン」騒動は、当初、“東京ですごいホットスポットが見つかった”と、市民運動家や反原発団体を大騒ぎさせた。しかし街中にも花崗岩など放射能を持つものは少なくない。そういう意味では、“ホットスポット”は各地に点在している。

放射線計測・防護が専門の加藤洋・首都大学東京准教授によれば、岩盤に囲まれたトンネル内は放射線量が高い。大地の放射線を四方から受けることに加え、放射性ガスのラドンが滞留しやすいことが理由という。

東名高速のトンネル内で線量を計測した。結果は、三ヶ日トンネル0.13マイクロシーベルト(以下同)、日本坂トンネル0.13、清見寺トンネル0.11、蒲原トンネル0.11で、いずれもトンネルの前後に比べて約2倍の線量だった。

健康に良いとされ、多くの観光客や湯治客でにぎわう「ラジウム温泉」は間違いなく“ホットスポット”である。放射能を売りにしているのだから当然だ。

中部地方の有名なラジウム温泉を訪ねた(営業に悪影響を与えたくないので、あえて場所は特定しない)。

源泉近くの風呂の中で測ると、0.21とやはり高い。脱衣所や内湯では0.16を計測。客間や温泉街の屋外でも0.14、0.15だったが、これは福島県いわき市庁舎前の0.17と同程度である。同じような放射能温泉は日本中にあり、過去の計測データによれば、今回訪れた温泉の10倍以上の線量の場所も少なくない。年間被曝量に換算すると、10ミリシーベルトを超えるレベルである。

※週刊ポスト2011年11月4日号

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