地上200メートル、海辺に立つ3棟の高層タワーの頂上を繋ぐ、まるで超巨大客船のような庭園が特徴的なシンガポールの高級ホテル。その中に世界最大のクリスタルシャンデリアが輝く豪華なカジノがある。既に借金が100億を超えていた大王製紙前会長の井川意高容疑者(47)は、借金チャラを狙った最後の大勝負をするため、決死の形相で入って行ったのだろうか――。
井川容疑者がマカオのカジノに通い始めたのは2007年頃と見られる。当初は賭けても1回に10万香港ドル(約100万円)程度だったようだが、負けが積もり積もって、2009年頃にはファミリー企業からの借り入れを始めている。結局、マカオでは約90億円もの金を突っ込み、借入金は約60億円にのぼった。
「マカオでは負け続け、仲介業者への借金もかさみ、さすがに行きにくくなったようです。次に井川氏が目を向けたのがシンガポールのカジノだった。1回に賭けられる最高額が7000万~8000万円とマカオより大きいので、それまでの負け分を取り戻そうとしたのではないか。今年6月頃からマカオとシンガポールを行き来するようになったが、負けは続いていた」(関係者)
※週刊ポスト2011年12月16日号