スポーツ

金田正一氏 「複数年契約が選手をダメにする」と指摘する

現役を退いて数十年経つ今でも、野球への情熱は燃え上がるばかり。まだまだ若い者には任せられん! そんな球界の重鎮が日本のプロ野球にモノ申す。ここでは400勝投手・金田正一氏の主張を聞こう。

* * *
ワシが現在の球界にいいたいことは、新聞紙面を騒がす契約交渉のことだ。

中継ぎ、抑えで3億、4億などという金額が当たり前になっているが、正気かと思ってしまう。「年間50試合投げているから」というが、ワシらの時代は先発で50試合投げるなど珍しくもなかったゾ。

ワシが現役の頃は、「カネは後からついてくる」と考えてプレーをしたもんじゃ。先輩諸氏の背中を追いかけ、「この人たちの記録を絶対に破ってやる」と技術を磨き、誰にも文句をいわれない記録を打ち立てた。

だが、今の子たちは何よりカネが優先のように見えて仕方がない。ワシらOBを黙らせるような力を持つ選手はごく稀で、「先人の記録を破る」というプロとしての気概も感じられん。そのくせ、カネの話ばかりして高額契約を要求する。実に情けない。

何より、複数年契約をやめるべきだ。選手に心の緩みを生み、ケガを招く。ワシは滅多にケガをしなかったが、故障で戦列を離れたのは、巨人時代の1965年に複数年契約を結んだ時だった。プロは1シーズンごとに結果を出さねばならん。その結果、成績が良ければ大幅アップを勝ち取ればいいし、悪ければダウンを受け入れて次に奮起すればいい。

選手の“銭ゲバ体質”を許してきた経営者側にも問題がある。現在の球界には真剣に経営を考えている者がいるだろうか。身売りの話は横浜だけでなく、他球団にも出ているという。確実にしわ寄せが来ているのだ。それが回り回って選手自身の首を絞めることを自覚するべきだろう。

プロである以上、銭カネも大事だが、野球選手としてまず記録を追い求め、確固たる地位を築きなさい。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

関連記事

トピックス

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン