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豊田泰光 「控えでいいからとにかくメジャー」の風潮に異議

現役を退いて数十年経つ今でも、野球への情熱は燃え上がるばかり。まだまだ若い者には任せられん! そんな球界の重鎮が日本のプロ野球にモノ申す。ここでは元西鉄ライオンズの豊田泰光氏の主張を聞こう。

* * *
プロ野球がつまらなくなった理由は簡単ですよ。いい選手がいない、それだけ。 にもかかわらず皆メジャーに行きたがるし、本当に簡単に出て行ってしまう。こうした現状が、日本の野球人気低迷に拍車をかけている。

選手の気持ちもわからないでもない。少しでも上のステージでやりたいと思うのは当然だろうし、昔に比べて移籍のルートもできたわけですから。ボクらの立場でも、「行きたいヤツは行きなさい」というしかないんですよ。

ただね、ライオンズの後輩だからあえて厳しいことをいわせてもらいますが、西武の中島裕之なんか、渡米前の時点でヤンキースから「控え」といわれているのに、「すごい球団に入札してもらった」なんていっちゃう。おいおい、ちょっと待ってよ。

レギュラーの確約は無理でも、明らかに控えに甘んじるようなら、日本でプレーしていた方がマシです。まさかとは思いますが、「控えでいいからとにかくメジャー」なんてことだけはやめてもらいたいですね。メジャーに行くからには、米球界に風穴を開けるような活躍をしてほしい。中島が挑戦しようとしているポジションは、日本人選手にとって高い壁があった。それを乗り越えてほしいという期待があるんですから。

ただ、選手のせいばかりにもしていられません。「そう簡単にメジャーに行かれたら困る」という状況はわかっているはずなのに、その対策を講じるべきコミッショナーが“お飾り”というか、気の毒なほど権限がない。今こそコミッショナーにはリーダーシップを発揮してもらいたいものです。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

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