ライフ

中高齢者が外国で語学力上がらないのは現地語に触れないから

 語学をやるなら若いうちに始めたほうがいい、年を取ってからではとても習得できない…とよくいうが、15才を超えればどの年齢でも大差ないと『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でもおなじみの脳科学者・澤口俊之氏はいう。効果的な語学の学習法について澤口氏が解説する。

 * * *
 7才前から英語圏の国で暮らせば、多くの場合はネイティブ=母国語同様に英語を使えるようになります。こういうかたを、2か国語の場合には初期バイリンガル、多国語の場合には初期マルチリンガルといいます。8才ごろから15才ごろまでは右肩下がりで会話習得能力は落ちますが、環境や努力次第で、ペラペラになることは可能です。7才以前の「初期」に対して、これらのかたを後期バイリンガル、後期マルチリンガルといいます。

 これは、次のようにいいかえることができます。すなわち、会話にかかわる脳領域の「言語野」が、脳の発達段階で、最初からそのように作られた人を初期バイリンガル(マルチリンガル)、いったん「母国語」に作られた言語野が、外国語に対応できるように作り変えられた人を後期バイリンガル(マルチリンガル)と呼ぶわけです。どちらの場合も外国語ができるわけですから、実用上・表面上は大した違いはありません。後期バイリンガルのかたであっても、同時通訳の仕事をしているかたは珍しくありません。

 つまり、どの年でも外国語の会話習得は充分に可能だということです。中高齢になってから外国で暮らすようになった場合、若いころより、習得能力が落ちていると思われがちですが、それは能力というより、現地の言葉に触れる頻度や時間が少ないことが主な要因です。

 中高齢者の場合、現地人との関係が希薄になり、母国語を話す集団で過ごす時間が多くなるものです。ところが、現地の高校や大学に通うとなれば、いやおうなく学校で現地語に頻繁かつ長くさらされます。しかも、学びたいという「意欲」や、試験に落ちたらまずいという「危機感」、あるいは現地語でのコミュニケーションに伴う「喜怒哀楽」・実はこうした感情が脳に負荷をかけ、言語習得力を高めるのです。

 外国語会話習得の原則を整理すると、

1:どの年齢でも習得は可能。
2:習得のコツは、外国語に触れる時間を長くしたり、なるべく感情が伴うようにしたりすること。

※女性セブン2012年1月19・26日号

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン