国内

被災地の遺体捜索「長い月日経ってからの活動に賛否ある」

 宮城・石巻市を流れる富士川では去る2月、13日間に及ぶ大がかりな遺体捜索活動が行なわれた。川を約1.3kmにわたって堰き止め、排水ポンプ車で水抜きした川底をのべ200人以上の警察官や消防隊員が重機や棒で掘り返した。

 富士川の近くには、津波で全校児童の約7割にあたる70人と教職員9人が犠牲になった大川小学校がある。児童4人と教職員1人は現在も行方不明のまま。しかし、13日間の川底捜索で発見された遺体はなかった。

 石巻市河北総合支所の担当者は、「捜索活動は不明者家族の要望を受けて実施した」と説明する。だが、「長い月日が経ってからの捜索に賛否両論があるのは把握しています」(同前)とも。

 市民の声を聞くと、「最後の一人まで捜すべきです。自分の家族が見つかったからといって、“もういい”とはいえません」(60代女性)という意見が多い。一方で、「どこかで区切りをつけなければならないのでは」(40代商店主)という声もあるが、それは少数派だ。商店主は寂しそうに続けた。

「同じ意見を持つ人はもっと多いと思う。私の親類にも行方不明の者がいるんだけど、『どうしても会いたい』という人の気持ちもわかるから、なかなかいえないねえ」

※週刊ポスト2012年4月13日号

関連キーワード

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン