ライフ

豆腐に絵本に仏教 神出鬼没なキャラクターたちの成功のカギ

 過熱するキャラクタービジネス。続々と新キャラクターが登場する一方で、既存キャラクターの活躍の場も広がっている。

 ゆるキャラの提唱者、みうらじゅん氏に「ついに出たか」と言わしめたのが、仏教キャラクターの登場だった。昨年の宗祖親鸞の七百五十回御遠忌(ごえんき)法要に合わせ、真宗大谷派東本願寺の「鸞恩(らんおん)くん」がデビュー。その名の通りライオンの顔をし、立派なたてがみを持ったキャラクターだ。他にも様々なキャラクターが登場しており、例えば真宗大谷派難波別院からは、仏様の御恩を忘れないようにと願いをこめた「ブットン(仏恩)くん」。こちらも名前にちなんでか、愛らしいブタの顔。
 
 一部には「不謹慎」という声もあったようだが、若者や子供たちに仏教への関心を持ってもらいたいと、宗派の若手らが結束して制作にこぎつけたという。昨年10月に滋賀県彦根市で行われた「ゆるキャラまつり(R)in彦根」に参加すると大きな人気を集めた。「かつて仏像は、あらゆる世代の民衆がグッとくるような、ゆるキャラのような親しみやすさもあったはず」とみうら氏。仏教とゆるキャラの親和性は高く、仏教伝道に一役買っているようだ。

 キャラクターたちの出没範囲も広がっている。

 先週19日、「機動戦士ガンダム」の世界を体験・体感できる施設「ガンダムフロント東京」がオープン。早速賑わいを見せている。ガンダムと言えば3月には、ジオン軍のモビルスーツ「ザク」とコラボした「ザクとうふ」が豆腐製造メーカー相模屋食料から発売され、売り切れ続出の大ヒットとなった。

 一見、奇想天外と思えるかもしれないこのコラボ。だが、小学生からガンダムの大ファンだったという相模屋食料の鳥越淳司社長は、「ザクは名機であり名脇役、とうふは伝統食であり名脇役」と、両者を結び付けたアイディアを語っている。

 最近では、人気アニメ「ワンピース」のキャラクターをかたどった氷ができる「アイストレー」を、株式会社壽屋が発売。海上を航海する麦わら海賊団をグラスに浮かべれば、清涼感もアップしそうだ。

 そして、森の妖精五兄弟・モーリーズの物語を絵本にした『モーリーズ げんきのたねをさがして』が今月23日に発売された。パチンコホール「ダイナム」は、気軽さ・楽しさ・健康対策などに取り組む店舗「ダイナム・信頼の森」を広く知ってもらいたいと、「信頼の森」に住むキャラクター「モーリーズ」を考案。絵本では、この仲良し五兄弟であるモーリーズが、森のさまざまな生き物との出会いを通じて成長していく姿を描いており、自然や動物に触れながら、親子で楽しめる1冊だ。

 縦横無尽なキャラクター展開。被災地復興イベントに、被災地だけではなく全国各地のご当地キャラクターが終結するように、キャラクター自身も“ホーム”を飛び出しつつある。

 キャラクターマーケティングやリサーチを行うキャラクター・データバンクの陸川和男社長はかつてインタビューで、「キャラクターにすべてを任すのではなく、その世界観や、支持する世代にフィットする目的の動機付けとして生かされた時に、効果を発揮します」と語っている。キャラクターの持つ世界観を活かした商品展開やサービスがますます熱くなりそうだ。

トピックス

”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン