当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
2024年3月に発覚した、ドジャース・大谷翔平の元専属通訳・水原一平受刑者(40)による「違法賭博事件」。水原の賭けを通じて、大谷の口座から約1700万ドル(約26億円)の送金を受けていた胴元、マシュー・ボウヤー(50)は8月29日(米現地時間)、違法にスポーツ賭博を運営していたたとして、米連邦地裁から1年1日の拘禁刑を言い渡された。
ボウヤーは判決言い渡しの直前、米カリフォルニア州の自宅でノンフィクションライター・水谷竹秀氏の取材に応じていた。ボウヤーやその仲間は、水原を通じて“大谷マネー”の恩恵に預かろうとしていたという——水谷氏がレポートする。(文中敬称略)【前後編の後編。前編から読む】
水原がスタバで語った「大谷ビジネスへの関与」
ボウヤーは元エンゼルスのデビッド・フレッチャー内野手と友人関係にあった。ボウヤーはフレッチャーを通じて、エンゼル・スタジアムに何度か訪れていた。しかし球場で水原と会っても簡単な挨拶を交わす程度で、それ以上の会話にはならなかったという。
「一平はすでに私が運営するスポーツ賭博に賭けまくっていた。球場では近くに翔平がいたため、私とは話しにくかったのかもしれない 」(ボウヤー)
水原との出会いは2021年9月のポーカーゲームだった。その場で水原はボウヤーのスポーツ賭博サイトにアカウントを開設し、間もなく賭け始めた。胴元と顧客の関係としてやり取りを続けたが、主にはスマホのメッセージ上でのものだった。たまに電話で話をすることがあったが、ボウヤーが水原に対して抱いていたのは、“寡黙で臆病”という印象だったようだ。
球場外で水原と接したことはあるか——そう問うと、「スターバックスのカフェで、俺の友人と3人で会った記憶がある」と明かした。
「2023年末か年明けだったと思う。一平の支払いが滞っていたんだ。最初、俺と一平が2人でテーブルに座った時、『いつ支払えるの?』と聞くと、一平は『必ず支払うから、もう少しだけ待ってほしい』と言っていたね」