タンパク質分解酵素を垂らした右側の卵の黄身は、酵素の力で破裂
まず行われたのは、泡立てたり、ごしごしこすったりしなくても食品由来の汚れを落とすことができる「分解酵素」の実験だ。こびりついてなかなか取れない卵汚れを落とす実験では、お皿に割り入れた卵の黄身にタンパク質分解酵素を1滴たらして、待つこと1分。卵の黄身に触ることなく、酵素の力だけで見事に破裂した。
また、米粒汚れなどの原因であるデンプンの分解酵素実験では、ドロドロのデンプンのりが入った試験管の、1本にはデンプン分解酵素を、もう1本には手洗い用洗剤を入れて、振ってみると……デンプン分解酵素を入れたほうはサラサラの水状に、手洗い用洗剤をいれたほうはドロドロのままだ。
実験の参加者から“こんなに良く落ちる酵素なら、手洗い用の洗剤にも入れたらいいのに”という意見が出たところ。
「力のあるタンパク質分解酵素を手洗い洗剤に入れると、手肌のタンパク質も分解してしまって肌荒れを起こす原因になります。こうしたことでも、手洗い用洗剤には手洗いに適した、食洗機用洗剤には食洗機に適した機能や成分が必要なわけです」(黒澤さん)
人が手で洗う場合と機械で洗うケースでは、成分が異なるというのもこの説明で“なるほどなぁ”と納得。