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残業代含めた国家公務員の本当の年収は民間約2倍の808万円

 野田政権は消費税率を2014年4月から8%、2015年10月に10%に引き上げようとしている。そのほか、復興増税も加わり、国民の負担は大きく膨らむ。

 国民が増税の真の痛みに気づく頃、シロアリ役人たちはホクホク顔で給料の大幅アップの恩恵を受ける。政府は「痛みを分かち合う」と今年から高すぎる国家公務員の給料を引き下げたが、国民への消費税増税が恒久的に続くのに対して、役人の給与カットは「2年限定」だ。

 増税で国民から搾り取る税金が国庫を潤すと同時に、役人の給与は再び元の高い水準に戻され、増税の痛みを感じなくて済むカラクリなのである。だから霞が関官僚や自治労などの公務員労組は「国民に増税すれば自分たちの給料が増え、高給を維持できる」と今回の増税法案に大賛成している。

 改めてシロアリ役人の特権を調べ上げると、コイツラに国民のカネをぶん取られることに心底、怒りが湧いてくる。

 最もわかりやすい官民格差が「給与」である。人事院によれば、国家公務員(行政職)の平均年収は637万円。対して民間サラリーマンは平均412万円(2010年の国税庁の民間給与実態統計調査)。単純に比較すれば、国家公務員はサラリーマンの1.5倍の収入を得ているように見える。しかし実際の格差はさらに大きい。

 この平均年収637万円には「残業代」が含まれていないからだ。

 2012年度予算の人件費をみると、「国家公務員の給与費」は3兆7737億円。ここから自衛官の給与費1兆3482億円を引くと2兆4255億円となり、これが自衛官以外の国家公務員の給与や各種手当の総額となる。これを人数で割ると、1人当たりの金額は808万5000円。これが残業代と交通費を含めた国家公務員の「本当の年収」となる。民間サラリーマンの約2倍である。

 なお637万円の平均年収からは「指定職の給与」も除外されている。指定職とは各省の審議官以上の高級官僚のことで、全省庁に約1200人いる。その年収は局長クラスで1724万円、次官なら2265万円である。平均年収が低くなるのは当然だ。こんなイカサマの政府発表を、検証もせずにそのまま報じる記者クラブも無能で罪深い。

※週刊ポスト2012年7月20・27日号

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