国内

「いじめは要は学校内で行われる暴行、傷害、恐喝」と道場長

 昨年10月、滋賀県大津市の中学2年生男子生徒が、いじめを苦にして自殺した。事前に男子生徒の親に相談されていたにもかかわらず、担任は「遊んでいるのと違うんか」と取り合わなかったことや、加害者の男子生徒も「遊びであり、いじめではなかった」との認識を表明。ようやく滋賀県警による生徒らへの事情聴取が始まっているが、いじめ問題の根本はどこにあるのか。

「いじめ問題の根本は、加害者がいじめを“悪いこと”と思っていない点にあります。親も学校も、いじめに毅然とした対応をとっていない。いじめは要するに学校内で行なわれる暴行、傷害、恐喝でしょう。犯罪行為ですよ。すぐに警察をいれるべきだ」

 財団法人・喝破道場(香川)の野田大燈道場長は厳しい。道場では引きこもりの青少年を3か月単位で引き受け、禅宗である曹洞宗の理念を採り入れた共同生活を通じて自立を支援する。

 道場の朝は早い。現在10人いる塾生たちは午前5時に起床し、座禅、読経、体操、農作業、武道などのカリキュラムをこなす。

 野田道場長は一般家庭に生まれ、28歳の時に出家した異端児でもある。

「簡単に物事から逃げてはいけない。親元にいれば衣食住は保障されて、正直なところ楽ですからね。現在の教育のキーワードは自立です。つまり1人で立って歩いていける子供をつくろうということ。今の学校には規律がないから、その分うちではしっかりと指導したいですね」

 いじめ問題から不登校を招いたときの“受け皿”として、私塾である「フリースクール」が注目される理由である。

※週刊ポスト2012年8月10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト