「パーッと散財して、人を喜ばせるのが好き」――そう語るのは、大阪の下着専門店「ファンデ」社長の津田綾子さん(76才)。コワモテの“ケンカ商法”とは裏腹な、包容力のある性格と豪快な使いっぷりが、お金も人も引き寄せている。ファンデの運営スタイルは独特だ。
「売りもんなんやから、見た後はきれいにしまってや!!」
コスト削減のため、商品は段ボールで陳列し、包装はなし。後片付けはお客にしてもらう。こうした「取引条件」を守れない客には、津田さんのお叱りが飛ぶ。
「厳しいこともいいますけど、取引先もお客さんもだまさない。そんなんでよかったら買ってくださいと」(津田さん・以下「」内同)
デフレ不況下、ブラ200円からという激安価格にもかかわらず、ファンデは年間4000万円を売り上げる。
「『もっと高く売ったらええのに』っていわれるけど、みんなが喜びはったら、それでええんです。喜びはったら、また戻ってきてくれるしね」
そうして稼いだお金を、津田さんは、「み~んな使ってしまいます。お金は天下の回りものですから、回してなんぼ。お金に執着したら、もうダメですわ」
地元のだんじり祭りでも大盤振る舞い。海外旅行に行けば、パジャマからネックレスまで、プレゼントしてしまう。
「お金や品物じゃなくて、挨拶でも、感謝の言葉でもね、人に差し上げて、喜んでくれたら、私も幸せ。そうしてたら、知らないうちにお金も人も寄りついてくるんです」
※女性セブン2012年8月23・30日号