国際情報

米大統領選挙 ロムニー、オバマ両候補のプロフィールを解説

 11月に迫ってきたアメリカの大統領選挙。経済にも大きな影響を与えるだけに、個人投資家としては、その行方が気になるところ。キャリア30年の元外銀ディーラーでFXプロフェッサーの異名を持つ鈴川克哉氏が、FXトレーダーなら知っておきたい大統領選のツボを紹介する。

 * * *
 いよいよ11月の米国大統領選挙が近づいてきました。2008年に前ブッシュ大統領の後継候補者であった共和党のジョン・マケイン氏を破り、1期4年を務めた民主党オバマ現職大統領に対するのは、共和党の1947年生まれ、65歳のミット・ロムニー氏です。

 彼はモルモン教とよばれる末日聖徒イエス・キリスト教徒であり、前回2008年の共和党の予備選挙では最後までマケイン氏と争い、負けており、今回が2度目の挑戦となります。

 通常、アメリカの大統領選挙は現職有利といわれており、第二次世界大戦以降の16回の大統領選挙では現職が再選を目指した10回の選挙の内7回で現職が勝利しています。現職は「エアフォースワン」と呼ばれる大統領専用機をはじめとする機材をタダで自分の選挙遊説に使用でき、選挙資金も楽に集められます。

 そして対抗候補が(今回は共和党内での予備選挙で)長い時間と多額の資金を使いながら疲弊してゆくのを横目で見つつ、じっくり対応策を考えられるのも有利な点となります。

 とはいえ、やはり選挙は水もの。現職大統領の人気がなければ落選することも当然あります。他国の例では、今年5月のフランス大統領選挙で2期目を目指したサルコジ前大統領がオランド新大統領に敗れています。

 それでは、各々候補の特徴、功績、背景を見てみましょう。

 まずは現職オバマ大統領です。アメリカ史上初めてのアフリカ系アメリカ人(つまり黒人)大統領であり、1961年生まれ、現在51歳の若い大統領です。ちなみに前回2008年の民主党の予備選挙では現在米国国務長官であるヒラリー・クリントン氏と戦っており、前回の予備選挙の結果が逆であれば、米国史上初の女性大統領が誕生していたことになります。

 オバマ大統領が当選した2008年はまさにリーマン・ショックさなかの激動の年でした。その中で「change」を合言葉に颯爽と登場した40代の大統領にアメリカの国民は皆大きな期待を寄せたものでした。オバマ大統領もその期待にこたえるべく、2010年に国民皆保険を目的とした医療制度改革法案を成立させるなど着実に結果を出していきます。何よりも未曾有の危機であったリーマン・ショックからアメリカ経済を今日まで回復させたというのは一番の功績だったのではないでしょうか。

 2009年にはノーベル平和賞を受賞しており、当時はいろいろと批判もありましたが、それでも受賞自体は悪いことではなく、それなりに意味のあることでした。

 そして、現職大統領の対抗馬となったのが、前マサチューセッツ州知事であったロムニー氏です。彼の一番の持ち味は、ベインキャピタルというプライベート・エクイティ・ファンドを立ち上げ、成功したこと、あるいはマサチューセッツ州知事時代にその経営手腕を生かして州の財政危機を救う等の経営センス、財政運営に対する評価の高さでしょう。

 2002年のユタ州首都ソルトレイクシティでの(ソルトレイクシティはモルモン教の聖都です)冬期オリンピック組織委員会の会長としても大会を成功に導いた実績があります。個人資産は2億ドルあるといわれており、稀にみる金持ち大統領候補者のようです。

 ただし、金儲けの手腕が際立ちすぎたためか、ロムニー氏は納税記録を2010年分しか公表していないという点についてオバマ陣営から攻撃を受けており、このままでは大きなハンディになると考えられています。

 また、共和党の予備選候補者の中では穏健派として売り込んでいたために、彼自身がマサチューセッツ州知事時代にオバマ大統領が進めていた国民皆保険制度を導入したことを、共和党内部から批判されたりもしました。それでもやはり、彼の経済的手腕への期待は大きく、結果的に共和党の候補者の地位を勝ち取ったのでした。

※マネーポスト2012年秋号

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン