ライフ

退職間近女「3週間鬱病だという診断書くれ」と医師に要求

 最近、医師に無理難題をもちかけて困らせる患者が急増しているという。日々繰り返される診療風景の中にも、知らないうちに医師に嫌われてしまう言動は数多くある。まず、多忙なサラリーマンに多いのが、待ち時間の長い診察を嫌がって、「薬だけくれ」、「注射だけうってくれ」と窓口でごねるパターンだ。確かに大仕事を前に風邪や発熱程度でおちおち休んでなどいられない。身に覚えのある読者も多いのではないだろうか。

「診察で症状に合った薬を処方しなければ、医師法違反にこちらが問われてしまう。そもそもしっかり診察を受けることが病気を治す近道だと認識してもらいたい」(都内・内科医)

 また、多忙だという理由以外にも、痛い治療が嫌だ、重病だったら困る、といった病院嫌いの人に多いパターンもある。「まだ大丈夫だろう」と自己判断し、朝から激痛があったのに診療時間の終了間際に来院する「駆け込み受診」だ。これも医師にとっては“迷惑行為”以外の何物でもない。

「朝から吐血までしているのに診療終了間際に来て、しかも、そういう患者が重なって、少しでも待たされると痛いものだから早くしろと怒鳴る。朝に来てくれればレントゲンや精密検査をして、しっかりした診療ができるのに……」(都内・総合病院勤務医)

 医師にとって、薬や注射だけを希望する患者も迷惑だが、自分のお願いが犯罪行為だと気付かない患者も多いという。ストレスなどで会社を病欠する人が増え、医師に気安く“都合のいい”診断書を頼むケースが急増している。東海地方の開業医A氏は、ストレス性の腹痛を訴える女子社員に1週間分の処方箋を出したところ、「ゆっくり休みたいから、3週間はうつ病だという診断書を書いてくれ」と頼まれたという。

「どうせ退社する気でいるのに休業補償だけは貰おうという浅ましい考えが透けて見え怒りが湧いた。医師の診断書をコンビニ商品か何かと勘違いしている。公文書偽造の犯罪行為には手を貸せないときっぱり断わった」(A医師)

“患者様”といわれるようになって久しいが、過剰な特権意識の典型だろう。

※週刊ポスト2012年10月26日号

関連キーワード

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン