国内

森喜朗元首相 えひめ丸事件の際にゴルフ続けた理由を明かす

 森喜朗・元首相(75)は、43年に及ぶ国会議員生活を終える前日、本誌の取材を受けた。プロインタビュアーの吉田豪氏が、在任中に起きた「えひめ丸事件」の真相に切り込む。

──えひめ丸事件のときに、ゴルフをしてたことで叩かれてましたけど(※注)。

森:もう思い出したくもないけど、あれもテレビのいい加減な報道で。あれはちょうど6番か7番(ホール)のときで、そこで秘書官から電話が来たんですよ、「詳しいことはわかりませんが、どうもハワイでこういう事故があったみたいです」って。「じゃあ、すぐ帰ったほうがいいのか?」って聞いたら、「いや、もうちょっと様子を見るからそっちにいてください」と。

 でも、ゴルフ場で座っているわけにいかないじゃない。後ろの組がどんどん来るんだから。そうじゃなくても嫌がられてるんだよ、SPが周りにいるから。だから、早くホールアウトしようとしたら、「事故の報告を聞いてるのにゴルフやってた」とか叩かれて。

 そのあとも「着替えてから(官邸に)行ったほうがいいか?」と聞くと、「そうしてください」って言うんで途中で着替えて行ったら、今度は「すぐ飛んで行かないで、シャワー浴びてから行った」と書かれた。でも、ゴルフウエアのままで官邸に入ったら、今度はなんて書かれたことか!

――絶対に叩かれますよ!

森:そういうバカな話なのよ。とくにひどいのは、冬なのに私のゴルフ映像は真夏の格好で、麦わらの帽子に半袖のシャツ。それをNHKも含む全テレビ局が扱うんだから。

――別のときの映像だったんですね。

森:そんなのは済んだことだからいいんだけど、そういう不愉快な形にして、政治をできないように追い込んでいくっていうのがマスコミとしていいかどうかだよな。野田(佳彦首相)君を見ていても気の毒な面があるね。スポーツのように、お互いに相手を称えあう雰囲気がないんだよ。

 アメリカではオバマとロムニーがあれだけ激しいことを言っている。前のときなんかもっとひどかったじゃない。相手の家族の悪口を言ってみたりね。でも、あんなことをしても終わったら握手してるんでしょ? そういうスタイルは日本にないんだよね。

【*注】2001年2月に米国ハワイ沖で愛媛県立宇和島水産高校の練習船「えひめ丸」が米原子力潜水艦に衝突され沈没した事件。休暇中だった森氏は事件の一報を聞いた後もゴルフのプレーを続けていたとして非難を浴びた。

※週刊ポスト2012年12月7日号

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
トルコ国籍で日本で育ったクルド人、ハスギュル・アッバス被告(SNSより)
【女子中学生と12歳少女に性的暴行】「俺の女もヤられた。あいつだけは許さない…」 執行猶予判決後に再び少女への性犯罪で逮捕・公判中のクルド人・ハスギュル・アッバス被告(21)の蛮行の数々
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン