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シニア腰痛の脊柱管狭窄症 痺れ・痛み・残尿感・便秘の症状

「眼」や「歯」などシニア世代が抱える体の不調を特集する「ヘルスケア・レポート」。今回のテーマは「腰痛」だ。

 日本人の8割が一生に一度は経験するという疾患は、放っておけば歩くのが億劫になり、さらに筋力が低下して悪化するという悪循環に陥りかねない。アクティブな生活を取り戻す最新治療を報告する。

 一口に腰痛といっても、その原因はさまざま。中でも、年々増え続けているのが脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症だ。シニア世代を悩ませる腰痛原因の代表的な病気である。

 昨年退職した埼玉県のAさん(65歳)はようやく好きなゴルフ三昧の生活を満喫できると喜んでいた矢先、以前からあった両脚太腿の痺れが悪化し、ゴルフどころではなくなった。

「歩くと痺れと腰の痛みが強くなり、グリーン上を移動するのも休み休みでした」

 Aさんは整形外科を受診し、CT検査の結果、「脊柱管狭窄症」と診断された。

「脊柱管(背骨)は神経の本幹(馬尾)が通るトンネルで、加齢と共に狭く変形していきます。また、何らかの原因で脊柱管が狭くなることで神経が圧迫され、お尻から下肢にかけて痺れや痛みなどが起こるのがこの病気です」

 こう解説するのは、脊椎・脊髄の専門医である白石建・東京歯科大学市川総合病院整形外科教授だ。

 脊柱管狭窄症の典型的な症状には、痺れや痛みに加えて、一定の距離を歩くと痛みが強くなり少し休むと痛みが治まる「間欠跛行」という症状や、重症化すると残尿感や便秘などがある。

「症状が軽い場合には、経口プロスタグランジンE1、消炎鎮痛剤などの薬物療法や、痛みの起こっている神経に局所麻酔やステロイド薬を注入する神経ブロックなどでよくなります。

 しかし、このような保存療法でも症状が改善しない場合には、脊柱管を広げる手術が必要です。Aさんのようにゴルフを楽しむなど以前と同様の活動的な生活をしたい人には第一の選択肢となります」(白石氏)

※週刊ポスト2013年2月1日号

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