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傷が治っても脳に伝える回路の誤作動で痛みが残り続けるCRPS

 骨折、打撲などのケガや手足の手術の後、骨折や傷がすっかり治っても痛みなどの症状が消えないのがCRPS(複合性局所疼痛症候群)だ。主な症状は痛みや腫れ、異常発汗、皮膚温度の上昇あるいは低下、皮膚のしわの消失、骨の萎縮、皮下組織の萎縮あるいは肥厚など多岐にわたり、どんな症状がでるかはわからない。

 原因は、外傷がきっかけで身体の損傷を検知して脳に伝える痛みの回路に異常が起きて、誤作動するために起こるのではないかと考えられている。外傷を負った人の5~10%がCRPSになると推計され、ケガの大小には関係ない。

 サトウ病院(大阪市城東区)の古瀬洋一院長に話を聞いた。

「CRPSの診断にはX線、骨シンチ、血液検査、神経伝導検査、MRIなどの検査はしますが、絶対的な根拠のある検査方法はありません。CRPSの判定指標では、皮膚の異常、関節可動域制限、異常な痛み、異常発汗、腫れの5項目をチェックしますが、はっきりしない場合もすくなくありません。実際の臨床では患者さんの訴える症状と医師の診察した所見を合わせて診断を行なっています」

 CRPSは骨折など神経損傷がないタイプ1と神経損傷を伴うタイプ2とに分けられる。さらにタイプ1で痛みと腫れが主症状の人と、タイプ2で痛みと自律神経障害はあるが腫れがない人、タイプ1、2にかかわらず全ての症状がある人の3つに分けられ、それぞれ治療法が違う。7歳以下ではCRPSにはならず、思春期から徐々に増え、中年に発症のピークがある。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2013年2月1日号

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