ライフ

世界290万人調査で判明「小太りが一番長生き」理由を医師解説

 世間で肩身を狭くしているメタボ諸兄に朗報か。
 
 1月1日、米疾病対策センターが医学誌に発表した最新のレポートが波紋を呼んでいる。その内容は、肥満指数(BMI)が25~30未満の「過体重」のグループのほうが、BMIが18.5~25未満の「普通体重」のグループよりも死亡リスクが6%も低いというものだ。そもそもBMIとは最も病気になりにくい理想体重を22に設定したものであり、その前提さえ崩れかねない結果が出たのだ。
 
 ちなみに、日本人男性の平均身長170センチだと、BMI22が63.6キロ、BMI27が78キロだから、かなり太っていてもOKということになる。
 
 これまでも少し太っているほうが長生きするというデータはあった。しかし、それらはどれも小規模な調査の結果ばかり。ところが今回は、北米や欧州、南米、アジアの100件近い研究データから成人約290万人を分析したもの。信頼度が高いうえに、あらゆる人種で普遍的に認められる結果といえる。
 
 なぜ、肥満者のほうが長生きするのか。愛誠病院・肥満センター長の新見正則氏が解説する。
 
「私は年間1万人以上の肥満の患者さんを見ていますが、太めの人は痩せている人に比べて免疫力が高く、感染症にもかかりにくい。またコレステロール値も高いほうが、頑丈な体を作るのに不可欠な細胞膜やホルモン、ビタミンDを多く作ることができるのです」
 
 また、レポートのなかで研究者らは、体脂肪が増えると心臓を保護するための代謝が活発になる点や、脂肪の蓄積があったほうが満足に食事の摂れない病気に罹った時でも生き残れるという点、肥満者のほうが平時から体のメンテナンスに気を遣うので病気を早期発見できるなど適切な医療を受ける可能性が高い点などを指摘している。
 
 メタボ健診で引っかかるのは恥ずかしいが、いいこともあるのである。

※週刊ポスト2013年2月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン