ビジネス

安倍晋三氏 本気で株高・円安誘導姿勢示した首相は初との評

 株式市場が沸きに沸いている。ここで、うまく波に乗り、虎の子の資産を増やしたいところだが、いったいどこまで、いつまで上がるのだろうか? 経済や金融、相場のプロたちに聞いた。

「経済の千里眼」こと、国際金融コンサルタントの菅下清廣氏はこう指摘する。

「現在の上昇相場は、明らかに昨年11月14日の野田前首相による解散宣言に端を発しています。それはつまり、その後に政権を握ることが確実視され、実際に首相になった安倍晋三氏の金融・財政・経済政策、いわゆるアベノミクスが大きく影響した上昇相場だということです」

 であるならば、投資家が一番知りたい「利益確定の時=売り時」は、アベノミクスの行く末に左右されるといっていい。つまり、安倍政権の今後の政策スケジュールが売り時の大きな判断材料になるのだ。

 早くから金融緩和の有効性を説き、安倍首相に実行を提言した1人である嘉悦大学ビジネス創造学部教授の高橋洋一氏はこう見る。

「アベノミクスの一番大きな柱は、金融政策によって株高・円安に誘導することです。すでに成果が出ていることは間違いありません。日銀総裁人事や日銀法改正にまではっきり言及し、本気で株高・円安誘導に取り組む姿勢を鮮明にしたのは、歴代でも安倍首相が初めてではないでしょうか。

 今後、アベノミクスが目指す目標達成の試金石として、クリアすべきことは3つあると考えています。第1に、日銀総裁に安倍首相の意向に沿った政策を実行する人物を抜擢できるかどうか。第2に、政府が日銀の金融政策を影響下に置けるように日銀法の改正を断行できるかどうか。

 第3に、その上で大幅な金融緩和を行なえるかどうかです。安倍政権が目指す2%のインフレ目標を実現させるためには、どれくらいの金融緩和をしなければいけないかといえば、計算すれば明らかで、50兆円以上の規模が必要です。

 その3つの条件がクリアされれば、その時の為替レートは理論上、1ドル=100~110円になります。さらに、その水準までの円安になった時の株価も計算で導き出すことができ、日経平均株価でいえば、1万5000~1万6000円プラスマイナス3000円の範囲でしょう。条件さえ整えば、早ければ年内にも株価はその水準まで上昇しておかしくないと見ています」

 過去の事例を見ると、為替相場が10%円安になると、日本のGDPは0.3~0.5%増える。もし円安が今の水準より30%進み、1ドル=110円になれば、GDPは1.5%ぐらい増える可能性があるということだ。GDPが増えれば、当然、勤労者の賃金も上がり、消費が活発になるという好循環が期待できるというのである。

※週刊ポスト2013年2月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン