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日本で一番チョコ食べているのは高度な菓子文化誇る金沢市民

チョコレートもコーヒーも「活性酸素」を抑えると言われる

 日本でもっともチョコレートの年間購入額が多いのはどこの都市か。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が意外なデータを紹介する。

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 この数年、バレンタインデーに「逆チョコ」──男性から女性へチョコをプレゼントしては、との提案が増えている。日本経済新聞(電子版)では「日経スイーツ選定委員会」を設け、さまざまな女性向けチョコレートを格付けしている。各種アンケート調査でも「贈ってもいい」という男性が増えている上に、調査によっては男性の1割弱が「今年チョコレートをあげる」という結果も。

 この30年間で、チョコレート製品の国内消費は1.5倍に増えた。日本チョコレート・ココア協会の調べでは1991年に約15万トンだった消費が2011年には23万トンに。といっても、実際に伸びていたのは2000年代前半まで。2000年に23万トンを超えてからは、ほぼ頭打ちで、微増と微減を繰り返しながら、もう10年以上23万トン前後の消費にとどまっている。

 バレンタインシーズンの調査についても、似たようなグラフを描いている。1981年には300億円だった国内消費額は1992年に初めて500億円を超えたが、その後、500億円台前半でとどまった。

 ところで現在、茨城県水戸市で「第1回世界チョコレートフェスティバル」という催しが行われている。水戸市は2005~2007年の総務省家計調査品目別調査で、世帯あたりのチョコレート購入額1位。2009~2011年の調査でもチョコレートで9位(5116円)、菓子類全般で見ても全国2位(9万2362円)と、全国有数のスイーツ都市と言えそうだ。

 では、全国No.1のスイーツ都市はどこか。全「菓子類」で総合No.1は石川県金沢市(9万5110円)。金沢市は「ようかん」「まんじゅう」を除いた「他の和生菓子」(1万6952円)や「チョコレート」(5840円)でも1位を獲得している。

 ちなみに金沢市はスイーツだけでなく、「コーヒー」や「コーヒー・ココア」といった項目の購入金額でも全国1位。金沢に行くと、町の至るところにコーヒー店があり、金沢大学にはコーヒー学の講義まであるという。

 古くは江戸時代に加賀藩が茶菓子づくりを奨励したことから、高度な菓子文化が生まれ、現在では京都市や松江市と並ぶ「日本三大菓子処」としても知られる金沢市。江戸時代の加賀藩から数えて約400年。「菓子と茶」という甘味と苦味の伝統はいまも引き継がれている。

 最近、全国のコンビニやファストフード店で「淹れたてコーヒー」を出す潮流がある。だが、金沢では長い暮らしのなかで菓子がチョコレートに置き換わったり、お茶がコーヒーに淹れ代わるなどしながら、多彩な茶色が展開されている。暮らしに定着したチョコレート&コーヒー文化のなかに、コンビニやファストフードは割って入ることができるのだろうか。

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