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しわやたるみの原因は甘いもの、たばこなど5つ存在する

 50代なのに30代にしか見えないドクター・南雲吉則先生が、女性セブン読者の健康に関する相談に回答するこのコーナー。今回は顔のしわ・たるみについて回答する。

【相談】
 年齢とともに顔の肉が垂れてきました。しわも目立つようになって…。原因や改善方法を教えてください。(ホットレモン・48才・主婦)

【回答】
 顔のしわとたるみ、気になるよね。できることならいつまでも若々しい肌を保ちたいという願いは、女性なら誰しも持っていると思う。今日はそのことについて話そう。

 しわやたるみの原因は全部で5つある。

 1つめは、加齢による女性ホルモンの減少。皮膚にハリや潤いを与え、肌の若々しさを保つ働きのある3つの保湿成分は、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチン。女性ホルモンはこれらの生成能力を高めているんだ。

 でも、女性ホルモンの分泌は18才から20才がピークで、25才から早くも減り始める。昔から“25才はお肌の曲りかど”っていうよね。そうなると3つの保湿成分も減り始めて、次第に顔のハリや透明感が失われて、しわやたるみが増えてしまうんだ。

 女性ホルモン量を、ずっと維持することは残念ながらできないけど、女性ホルモンに似たイソフラボンという成分を含む大豆や、ボロンという成分を含むキャベツを摂れば、潤い効果が期待できるかも。

 2つめの原因は、体重の増減による皮膚の伸び縮み。ダイエット・リバウンドを繰り返して急激に体重が変化すると、皮膚が伸びてたるんでしまう。

 短期間での急激なダイエットは、体に負担をかけるだけでなく、肌のしわ・たるみにもつながることを覚えておいてね。女性ホルモンが減少して、太りやすくなる閉経後は、特に肥満に要注意だよ。

 3つめの原因は、たばこ。

 たばこに含まれる数百の有害物質は、血液に吸収されると、血管の内側の粘膜を傷つけるんだ。その傷を防ぐために血管にできたかさぶたが動脈を硬く変化させる。これが、動脈硬化なんだね。

 動脈硬化で血が流れにくくなると、心筋梗塞や脳卒中を起こす。すると体は白血球から、血管にできたかさぶたを溶かすための“エラスターゼ”という分解酵素を出して動脈硬化を治そうとしてくれるんだ。

 ところがこの分解酵素は、肌の弾力繊維であるエラスチンをも分解してしまうんだ。だからたばこを吸う人の肌は、くすんでいたりあまりハリがなかったり、しわやシミ、たるみが目立つことが多い。

 いわゆる“スモーカーズフェイス”になってしまうというわけだね。肌の若さを保ちたいなら、たばこは絶対にNGだよ。

 そして4つめの原因は甘いもの。ラード(豚の背脂)をフライパンでいくら熱しても焦げつかないけど、ご飯やじゃがいもは、焼きすぎるとすぐに焦げついてなかなか取れないよね。

 この焦げは、熱することでご飯やじゃがいもに含まれる糖分とたんぱく質が結合してできた、“AGE”と呼ばれる物質なんだ。この“AGE”ができるのと同じような現象が、甘いものをたくさん食べる人の血管内でも起こっているんだ。

 甘いものに含まれる糖は体内でたんぱく質と結合し、AGEができる。そして、血管の内皮細胞にも蓄積し、動脈硬化やがんの原因になるといわれているんだよ。動脈硬化により、肌の弾力がなくなることは、すでにお話しした通りだね。

 さらに、血管と同じことが皮膚でも起きている。実は糖がいちばんくっつきやすいたんぱく質はコラーゲン。つまり、甘いもの(糖)は皮膚のコラーゲンと結合してかたまり、皮膚の弾力性を奪うんだ。

 とはいっても、甘いもの好きな女性って多いよね。完全にやめるのが難しければ、“一日これだけ”と量を決めて、摂りすぎない努力をしようね。

 5つめは日焼け。紫外線はしわ・たるみの大敵なんだ。日焼けすると、紫外線が皮膚を透過してダメージを与え、肌の真皮層にあるコラーゲンなどが変性して収縮し、しわになってしまうからね。

 冬でもこまめに日焼け止めクリームを塗ったり、日傘をさしたりして、日焼けしないよう注意しよう。

※女性セブン2013年3月7日号

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