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摂り過ぎるとアレルギーや大腸がんやうつ病の原因になる油も

 50代なのに30代にしか見えないドクター・南雲吉則先生が、女性セブン読者の健康に関する相談に回答するコーナー。今回は油に関する相談に回答する。

【相談】
 油って、太るイメージしかなかったのですが、体にいい油があると聞きました。油と健康について教えてください。(ココット・36才・主婦)

【回答】
 実は、油の良し悪しを見分けるポイントは、“室温で固まるかどうか”なんだ。

 牛や豚は恒温動物だから、いつも体温が一定だよね。その脂は室温でラードみたいに固まっている。こういう脂を“飽和脂肪酸”と呼ぶんだけど、血管の中でも固まりやすいから動脈硬化を引き起こしやすい。

 それに対して魚は変温動物。冷たい水の中では体温も低いけれど、脂肪分は固まらない。つまり魚の油は固まりにくいから、血管の中で動脈硬化も起こしにくいんだ。こういう固まりにくい油のことを、“不飽和脂肪酸”と呼ぶ。

 この油は魚の皮に豊富に含まれているから、魚を食べるときに、皮を除いてしまうのはもったいない!! ぜひ丸ごと食べてみて。

 そしてオリーブオイルなどの植物油も、魚の油と同様、室温では固まらないサラサラした油・つまり、不飽和脂肪酸だよね。植物油にはビタミンEやポリフェノールなどの抗酸化物質も多く含まれているんだよ。

 ただ、植物油ならどんなものでもいい油かというとそうではない。植物油を固めて作ったマーガリンやショートニングは、常温でも固まっているから、動脈硬化の原因になるんだ。

 これらは“トランス脂肪酸”と呼ばれていて、最近では、使用を規制している国もある。

 さらに細かいことをいうと、植物油の中でも紅花油やコーン油、ひまわり油、ごま油などのリノール酸はオメガ6脂肪酸といわれる油で、摂りすぎるとアレルギーや大腸がん、うつ病の原因になることがわかってきた。

 おすすめなのはオメガ3脂肪酸。これにはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)、ALA(αリノレン酸)があるんだ。

 EPAやDHAは魚に含まれている油だね。抗酸化作用があるから若返りのサプリメントにもなっているよね。

 ALAは菜種油の一種であるキャノーラ油や大豆、えごまなどの油だね。

※女性セブン2013年3月14日号

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