「検査でも、正常値をかなり上回った場合は治療に進みますが、『ほんのちょっとなら』と、患者自身も、医師も放置してしまい、手遅れになるケースも多いのです」(河田教授)
河田教授によると、肝機能を正常に保つには、次のようなことが大切という。
・お酒の量はほどほどに
・運動をして、腹部に脂肪をためない
・肝臓が働くエネルギーを補給するため、バランスのよい食事を心がけ、ビタミンやミネラルを摂取する
・定期的に肝機能の検査を受ける
また、肝機能の改善を期待できるとして、しじみなどに含まれるアミノ酸の1種『オルニチン』も注目されている。
「最近、『成長ホルモンが、脂肪肝を抑制する可能性がある』と発表されました。オルニチンは成長ホルモンの分泌を促すことから、脂肪肝の抑制につながるのでは、と考えられています」(河田教授)
ある試験では、肝機能の指標のひとつ ALTの値が高め(要注意レベル)で、脂肪肝が認められる成人男性が毎日1.6gのオルニチンを摂取したところ、3週間で「脂肪肝、ならびに肝機能が改善した可能性がある」と報告された。
「オルニチンは食品に含まれるアミノ酸ですから、安心して摂取できます。また、食品ですので医薬品よりも手軽に入手できる点もメリットといえるでしょう」(河田教授)