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春は別れの季節 センス良く記憶に残るための贈り物テク

「別れる男に花の名前を一つ教えておきなさい。花は必ず毎年咲きます。」

 川端康成の短編「花」の名言として有名なこの一文、最近では有川浩『植物図鑑』(幻冬舎文庫)にも引用されたことで、川端作品に触れる機会の少ない若い世代にも、広く認知されるようになった。「花の名前」に限らず、香り――香水やシャンプーの匂いが、記憶を刺激するケースや、一緒に行った場所の風景、よく一緒に食べたものの味など、別れる相手には自分を思い出す“よすが”を残したいもの。

 また恋人に限らず、卒業や転勤などでこれまで親しかった人と、なかなか会えなくなることも多いこの季節、センス良く記憶に残るため、別れの記念にちょっとしたギフトを贈るというのもオススメだ。相手の負担にならない金額で、おしゃれ感も演出できて、また自分を思い出してもらう機会を作るギフト選び――今回は「記憶に残る」をテーマに“消え物”をピックアップしてみた。

【1】ショコラティエのチョコレート
 チョコレートをプレゼントするのは、バレンタインだけじゃない。欧米ではチョコレートに小さな花束という組み合わせは、男性から女性へのちょっとしたギフトの定番。ジャン=ポール・エヴァンやピエール・マルコリーニなど、質の高いショコラティエのチョコレートは、好感度も高い。

“こんなちょっとで、こんな値段!?”と思う人もいるかもしれないが、1000円くらいの小箱は、また小さい故に品良く見える――というサイズマジックもある。別れた後で食べた時、普段よりも贅沢な味に“また食べたいな”と思うのは確実で、それが“また会いたい”に繋がるかも? 女性向けに思われるかもしれないが、スイーツ男子も増えている昨今、“味のわかる”男性相手にも使えるギフトと言えそうだ。

【2】プレミアムビール
「ほろ苦い別れ」だったり、「大人へのステップを上る人へ」といったメッセージを込めたり、具体的に“味にうるさい、ビール好き”という相手に、ぴったりなプレゼント向きのビールがある。セブン-イレブンで先行販売されている、キリンビールの『GRAND KIRIN(グランドキリン)』だ。開発者の“プレミアムの最高峰を”“一切妥協なし”という、熱い想いの結集した「一本で満足できるスペシャリティ・プレミアムビール」は330mlの小壜で238円(税込)。濃厚でしっかりとした味わいは、ライトにゴクゴク飲むビールとは趣きが異なり、飲む人に“特別な時間”を感じさせる一本になっている。

 お店で買ってプレゼントしてもいいのだが、この『GRAND KIRIN』はソーシャルギフトが使える。「BEER to friends」というキャンペーンサイトから、FacebookやTwitterを経由してオンライン上でプレゼントが可能。贈られた人は全国のセブン-イレブン店頭で、携帯などから「受取チケット(バーコード)」を見せれば『GRAND KIRIN』を受け取ることができる。

 この季節、急な異動などで「えー! もう行っちゃってたの!?」といったケースでも、この方法なら相手の送り先住所を聞く――なんて不粋なことをしなくても、スマートにギフトを贈れるというのはポイントが高い。

【3】品の良い花束
「花」の名言から入ったので、ラストの紹介はお別れギフト定番の花束。春の訪れと共にカラフルな花が増え、送別の花束は華やかなものになるケースが多い。そんな中で印象に残る花束としては、“あえて白にこだわる”。

 例えば、代官山と恵比寿の中間にあるフラワーショップ「kusakanmuri(くさかんむり)」は、「こころをつなげていく」をコンセプトに白とグリーンの草花に絞った品揃えで、アレンジメントやリースが人気。売れ筋は4000~5000円とのことだが、店頭で依頼すれば1000円くらいからのミニブーケにも応じてくれる。

 白い花だけでは、別の意味が出てしまうこともあるが、葉ものなど自然の緑の濃淡と白い花だけの組み合わせは、独特の風情と品の良さが出る。控えめな白とグリーンの花束は、贈り手の“別れの淋しさ”をきちんと伝えてくれそうだ。

 離れたからこそ、相手の存在感やありがたさに気づくこともある。お互いにより良い再会ができることを祈りながら、今の別れを素敵なものにできたら、“別れの季節”も悪いものではないかもしれない。

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